桜の開花予想が気象庁と民間でズレ、どちらを信じる?

2006/03/11 21:46 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


3月に入り暖かい日も増え、春の足音が聞こえてきている今日このごろ。花粉症の人にはつらい季節になるけど、そんな苦しさも吹き飛ばしてくれるのが桜の花なのだ。“新入社員最初の仕事”なんていわれている花見の場所取りだけど、日程は先輩や上司が決めなくちゃならない。そんな担当者が頭を悩ます事態が発生した。気象庁と民間気象情報会社ウェザーニューズがそれぞれ発表した桜(ソメイヨシノ)の予想開花日にずれが生じ、東京で4日、高知市では8日の差がでているのだ。

桜の開花予想は55年間気象庁だけが行っていたのだけれど、2002年からウェザーニューズが参入。以来、熾烈な予想合戦が繰り広げられているのだ。東京の開花予想では、一昨年、ウェザーニューズが実際の開花日と比べて4日差で2日差の気象庁に軍配が上がり、昨年は同じ日を予想(開花日と1日差)。しかし全国的に見ると、ウェザーニューズの的中率のほうが高かったそう。

気象庁の開花宣言は、東京では靖國神社にあることで有名な「標本木」を基準としている。「標本木」は各気象台の敷地内やその付近に全国で89カ所あり、開花予想もこの「標準木」を対象としているのだ。一方、ウェザーニューズは各都道府県で1カ所ずつ選んだ桜の名所を対象に予想。これに加え、全国約1000地点のデータを組み合わせて精度を高めているのだとか。

さて、今年の全国予想は気象庁が早めでウェザーニューズが遅めとなったのだ。その差は、鹿児島市で3日、東京や大阪市などで4日、新潟市や名古屋市などで6日、高知市に至っては8日と大差がついている。桜の開花予想で重要なのが2月と3月の気温で、2月は「平年より高め」、3月の予測は双方とも「平年並〜平年より高め」としているのだけれど、これをもとに予想した結果、気象庁は「平年より早い」、ウェザーニューズは「平年並み〜平年より遅め」という答えが導き出されたそうなのだ。

桜の見ごろは1週間から10日ほど。開花予測がずれると困るのは、冒頭で述べたように花見の担当者だけではない。桜の名所近くで酒や弁当を販売する店舗の仕入れ、旅行会社の花見ツアーの日程など、商業的な影響が懸念されるのだ。8日もずれが出ている高知の該当業者は、今ごろ頭を悩ませていることだろう。今年はどちらの予想を信じれば吉と出るのか、難しいところなのだ。

開花予想は、ウェザーニューズは毎日更新、気象庁はこれから何回かに分けて予想を修正する。ちなみに、ウェザーニューズは先月末に「遅い」発表した四国南部と九州南部の開花予想を少し早めているのだ。


●ウェザーニューズ発表(11日現在)の主要都市予想開花日
札幌市(旭山記念公園)  5/5
青森市(合浦公園)  4/25
仙台市(西公園)  4/15
新潟市(県立鳥屋野潟公園)  4/13(+1日)
東京(靖國神社)  3/29(+1日)
名古屋市(鶴舞公園)  4/1(+4日)
大阪市(大阪城公園)  3/30(0日)
京都市(京都御苑)  3/30(+1日)
広島市(平和記念公園)  4/1(+3日)
高知市(高知城)  3/27(+4日)
福岡市(西公園)  3/27(+1日)
鹿児島市〔名勝仙巌園(磯庭園)〕  3/26(0日)

●気象庁発表(8日)の主要都市予想開花日
新潟市  4/9(-2日)
東京  3/25(-3日)
名古屋市  3/26(-2日)
大阪市  3/26(-4日)
京都市  3/28(-3日)
広島市  3/26(-3日)
高知市  3/19(-4日)
福岡市  3/23(-3日)
鹿児島市  3/23(-3日)
札幌市は4月上旬、青森市と仙台市は3月中旬発表

*日付後のカッコ内は平年との差

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.