セ・リーグ理事会、来季からプレーオフ導入を決定。

2006/03/07 23:24 Written by コジマ

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以前から懸案事項だったプロ野球セ・リーグのプレーオフ導入。ファンの間では賛否両論だけれど、ひとあし先に導入したパ・リーグの観客動員数増などから、セ・リーグでも主に営業サイドからの猛プッシュがあるなど、導入に向けて積極的な情勢だった。そして7日、東京都内で開かれたセ・リーグ理事会で、2007年シーズンからプレーオフの導入に6球団が合意したことを発表したのだ。

パ・リーグでの評価も一定していないまま、セ・リーグもプレーオフを導入することになってしまったのだ。パ・リーグの導入時に猛反発した 巨人の渡辺恒雄球団会長を説得できたのだろうか。さて、その内容について今回決定したのは、
・レギュラーシーズンの146試合はそのまま
・レギュラーシーズン勝率1位のチームをリーグ優勝とする
の2点のみ。「レギュラーシーズン勝率1位=リーグ優勝」としたことは、「日本シリーズ出場(プレーオフ優勝)=リーグ優勝」としているパ・リーグで球団やファンから不満が噴出しているだけに、よい選択と言えるのだ。

そのほかの細かい点については、伊藤一正セ・リーグ理事長(中日球団代表)が「どういう形でやるのが一番新鮮な印象を与えるのか、またファンに喜んでもらえるのか、これから詰めていくことになる」(サンケイスポーツより)と言っているように、今後パ・リーグと日程を含めて協議しながら詰めていくそう。同理事長は「複数球団(2、3球団)によるプレーオフを考えているが、パ・リーグと同じ方法というのはない」(朝日新聞より)とも話している(パ・リーグの主なプレーオフルールはこちらを参照)。

以前、横浜が提案したプレーオフ案は「セ・パ両リーグとも前後期制とし、前後期それぞれの覇者と、それ以外のチームの中から通年最高勝率のチームがワイルドカードとして出場。3チームでリーグチャンピオンシップを行い最終的にリーグ王者同士が日本シリーズで対決する」というもの。伊藤理事長が「パ・リーグと話し合い…」としているので、この横浜案が実現する可能性は残されているのだ。

ここで気になるのが、現場の指揮官である各球団の監督の反応。サンケイスポーツによると、

【ヤクルト・古田敦也監督】
「ファンの方々も望んでいることですから。僕は昔からやった方がいいと思っていました」
「(146試合は)考えた方がいい。お客さんは価値のある試合が増えることを望んでいる」
【広島・マーティー・ブラウン監督】
「今季から取り入れてほしいぐらいだ」
「(昨季の日本シリーズをみて)フレッシュな感覚を保っていたチームと、試合勘が欠けているチームの差を感じた」
【オリックス・中村勝広監督】
「両リーグ同じルール(制度)でやるのがベストだと思う。セが導入すれば、(日本シリーズまでの)実戦不足も解消されると思う」

近年プレーオフに関係する順位から遠ざかっているチームの監督ばかりだけれど、昨年の日本シリーズでプレーオフを戦い抜いて臨んだロッテと実戦から2週間空いて臨んだ阪神に開いてしまった差は、相当ショックだったようす。中村監督の言うように、両リーグが同じ状態で日本シリーズを戦えるようにすることには賛成なのだ。

また、同日に行われた12球団代表によるプロ野球実行委員会では、国内レンタル(期限付き)移籍制度について議論されたのだけれど、チームの機密保持などの不安点が解消されないため、今季からの試験導入は見送られたそうなのだ。その代わり、来季からの実施を目指してたたき台を作成することになったのだそう。

近年優勝している球団のファンだからというわけではなく、ぼくはどうもプレーオフの導入に手放しで賛成できないのだ。メジャーリーグのようなリーグに多くの球団が存在するならまだしも、6球団中3球団という2分の1の確率でプレーオフに出場できちゃうなんて、経済的な効果は置いといて、本当にやる意味があるのかという疑問が湧いてくるのだ。こうなってくると、巷でいわれている1リーグ制3地区に分けるという方法や韓国、台湾、中国のリーグとプレーオフを行うという方法に魅力を感じてきてしまうのだけれど、導入は決定事項。少しでもファンが納得するような制度にしていってもらいたいのだ。そして、古田監督の「ファンの方々も望んでいる」という認識が間違っていないことを祈るばかり……。

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