マイクロソフトと提携して始めたゲーム開発・販売会社のゲームバンク、オーストラリアのメディア王ルパート・マードック氏と共同で画策するも失敗に終わったテレビ朝日の買収、東京電力やマイクロソフトと共同で始めた無線インターネットサービスのスピードネット、金融業参入を目論むも3年で売却したあおぞら銀行などなど、幾度となく失敗と挫折を味わってきたソフトバンク。近年はADSL事業による通信サービスの価格破壊を目指したヤフーBB、ダイエーから経営を引き継いだプロ野球のホークス、そして今年のサービス開始に向けて準備を進めている携帯電話事業など、ようやく新しい挑戦が軌道に乗るようになっているなりよね。事業としての成否はともかく、旧態依然とした構造に真っ向から勝負を挑み続ける姿勢は、今も昔もそう変わりは無いなりよ。
そんなソフトバンクが次なる挑戦として見据えているのが大学の創設。孫正義社長の幼い頃の夢は「小学校の先生」だったと言われているなりが、ずっと抱き続けてきた教育への思いを体現する場として、また、情報社会の「次の担い手」を育成する場として、大学を創設する計画を着々と進めているなりよ。孫社長は大学創設を「教育改革へのささやかな一歩」(日本経済新聞)と語っており、大学がうまく軌道に乗れば、将来的にはほかの教育機関の創設も視野に入れているようなり。
具体的にどのような大学を作ろうとしているのかは読売新聞が報じているなりが、大学の名称は「サイバー大学」で、2007年4月に開校予定。ソフトバンクグループなどが中心となって運営する株式会社立大学で、昨年から文部科学省と協議を進めており、早ければ今月中にも構造改革特区の申請を行うというなり。
大学の場所は福岡県福岡市東区の「
ふくおかアイランドシティ」。2007年4月をめどにアイランドシティ内のビルに大学を設置するなりが、基本的にはスクーリングなどを全く必要としない、100%インターネットによる講義の「ネット大学」を目指しているようなりよ。まだ具体的なカリキュラムは決定していないなりが、観光学部を設置し、観光学科、世界遺産学科、デジタルアーカイブ学科、デジタルコンテンツ学科の1学部4学科にする案も出ているのだとか。
2005年4月に東京・秋葉原で産声を上げた
デジタルハリウッド大学など、次代の人材育成はすでに始まっているので競争の激しい分野ではあるなりが、ソフトバンクの新たな挑戦も面白そうではあるなりよね。「サイバー大学」がどのような教育方針で、どのような人材育成を目指すのか。注目しておきたいところなり。