恥をさらして売春撲滅? セントルイス市警が始めた活動とは。

2005/09/27 12:00 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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当たり前のことですが、それなりに人口の密集した都市ではいろいろな犯罪が問題となります。セントルイス市も例にもれず。一部の地域では路上での売春行為が周辺住民の悩みのタネになっているんだとか。警察もいろいろと手を尽くしているのですが、その地域にたむろする売春婦は後を絶たないそうで。

これは買春客への処罰のゆるさにも問題があるといわれています。なんでも売春婦といかがわしい行為をして逮捕され有罪になった場合でも、ほとんどが罰金ひとつで済んでしまうため、多くの人々は何度も同じ行いを繰り返してしまうんだとか……。

しかし春を買うことをやめない彼らでも、出来ることならその事実はひた隠しにしたいですよね。家族や社会的地位のある人ならなおのことです。幸いこれら逮捕歴というのは公の資料として一般公開されても、それをわざわざ探し出す人も少なく、本人が黙ってさえいればそうそう人にバレることもないのです。

しかしある日突然、警察から買春行為を戒める内容のハガキが届いたとしたら、そしてそれを家族が目にしてしまったら……、アナタならどうしますか?恥ずかしいどころか、かなり危険なシチュエーションですよね。実はこれ、最近セントルイス市警が始めた売春撲滅キャンペーンの一環で、本当に起こり得ることなのです。

買春をして逮捕されても、それを家族や知人に隠し通し、さらに同様の行為を繰り返す人々。そんな彼らをを対象に警察から、

「先日は○○(売春婦の名前)を訪ねてくれてありがとう、でも買春行為は違法ですから、そこんとこちゃーんと覚えておいて下さいねっ」

といった内容のハガキを送りつけます。赤っ恥をかかせると共に厳しいお灸をすえるのが目的で、すでに20人ほどの男性がこのハガキを受け取っているそう。

でも夫あてにこんなハガキが届いた日にゃ、奥さんがきっと彼をコテンパンにすると思うんですが……。家庭崩壊より犯罪防止を優先する辺りが、なんともアメリカらしいですなぁ(笑)。

ところで、このように買春客に恥ずかしい思いをさせて、その行いを繰り返さないようにする運動は実は珍しいことではないのです。コロラド州のオーロラという町では買春をして逮捕された場合には新聞で顔写真が掲載され、さらにミネソタ州やフロリダ州でも同様の逮捕者の情報をウェブサイトで公開している地区があるそうです。これらは有罪が確定していない段階でも公開されるそうで、悪いことすると速攻で人々に知られることになります。

もっと厳しくなるとデンバー州の"Johns TV"のように、有罪となった買春客の氏名と顔写真を公開するテレビ番組まであるんだとか。これは州がスポンサーとなっていて、同様の情報がインターネットでも手に入るそう。今までに400人近い人々がさらし者になりました。ちなみに"John" とは、この場合「買春客」の意味だとか。これって英語では男性の一般的な名前ですが、実はちょっと赤面なスラングだったんですねぇ……。

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