不調・井川慶投手復活のカギは左打者対策?

2005/06/07 03:25 Written by コジマ

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先日、コ○助がお伝えしたように、6月1日のソフトバンク戦で自己最低の8失点を記録して5年ぶりの2軍降格を言い渡された阪神のエース・井川慶投手。勤続疲労や昨オフのメジャー移籍直訴却下の影響という話が出ているけれど、スポーツナビに掲載されている小野俊哉氏(スポーツアクセス代表)のコラム「プロ野球データ分析05年 vol. 10」では、データマンである小野氏らしく記録で井川投手の今年の弱点を挙げ、克服すべき点を提示しているのだ。そのカギはズバリ、左打者対策。

小野氏はまず、ファームに降格した6月1日時点での成績を、過去の同時点の成績と比較。

2001年 5勝4敗 防御率2.45( 3位)
2002年 7勝2敗 防御率1.89( 2位)
2003年 6勝3敗 防御率3.13( 6位)
2004年 4勝4敗 防御率4.84(15位)
2005年 4勝3敗 防御率4.54(13位)

勝敗は兵家の常ということで、ここで注目すべきは防御率なのだ。コ○助も述べていたように、今年は負け試合の内容がひどすぎる。5月25日のオリックス戦では初回に6安打5失点しており、これは「今年のセ・リーグの先発投手で初回5失点以上は井川ただ1人という不名誉」だそうで、続く6月1日のソフトバンク戦では初回から3イニング連続失点しており、小野氏はこの辺を2軍行きの理由として挙げているのだ。そのほかの投球内容のデータも提示しており、

投球回数        67回1/3(8位)
被安打         80(最下位)
与出塁         107(最下位)
先頭打者の被打率   .230
先頭打者出塁からの失点 14(両リーグで最下位)
先頭打者以外の被打率 .320

と、見事に今年の井川投手は“不名誉”のかたまりとなっているのだ。

そして、それよりも「問題」として挙げているのが、冒頭に述べたように、左打者との相性の悪さ。右打者の被打率.253に対して左打者は.368(昨年は.229)というから、かなりのものなのだ。特に対策が必要なのが、巨人の阿部慎之助捕手(5打数5安打2本塁打)と中日の立浪和義内野手(4打数4安打)なのだけれど、交流戦ではパ・リーグの左打者にもっと打ち込まれている(.405)ようなので、相当な重症なのだ。

左打者に対する攻めについて、小野氏は「初球を除くとカーブ、チェンジアップはあまり使わず、ストレート、スライダーを中心とした持ち前の球威で押す投球」と分析しており、この打開策として「緩急が少ないことを補うためにも、外角低めと内角速球のコントロールを磨きたい」としているのだ。

復帰戦は6月14、15日の西武戦が有力視されているようだけど、短い2軍落ちで気分の一新とともにこの辺の技術が磨けるのだろうか。もともと20勝できる力の持ち主だし、努力家でもあるのだから、なんとかモチベーションと真摯な研究姿勢で復活してほしいのだ。

チームも井川投手の2軍落ち以来すっかり調子を落としてしまって、6月6日現在で3位に転落。阪神の浮沈はエースとして期待されている井川投手にかかっているのだ。

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