米アップル、Intelプロセッサ採用を正式発表。

2005/06/07 02:13 Written by コ○助

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ここ数日、CNETやウォールストリートジャーナルなどの報道に端を発し、アップル・コンピュータが長年連れ添ったパートナーのIBMからIntelへ移行するとの噂が駆け巡っていたなりが、7日に開催された「WWDC(Worldwide Developer Conference)」で基調講演を行ったスティーブ・ジョブス会長兼CEOがIntelへの移行を正式に発表したなり。これまでアップル・コンピュータはIntelのPentiumプロセッサに対して敵視政策を採ってきただけに、今回の方針転換はまさに180度の大転換。Macコミュニティーにとっては、OS X移行時にOS 9ユーザーが切り捨てられたのと同様、いや、それ以上の衝撃が走っているなりよ。

話を進める前に、基調講演でどのようなことが語られたのかを簡単にまとめておくと。

・次期Mac OS X 10.5の名前は「Leopard」。
「第三の転換期」として、Intelへの移行を正式発表。
・来年の今ごろ、Intelのプロセッサを採用したMacを発売。
・PowerPCからIntelへの移行は2年間で行う予定(〜2007年まで)。
・5年前からIntelのプロセッサとPowerPCで動作するMac OSを開発してきた。
・Intelのプロセッサで動くMac OSをデモ。
Cocoaで開発されたアプリケーションは、コンパイルするだけでInterプロセッサ上で動作可能に。
・デモではIntelマシン上で、PowerPC版の「Adobe Photoshop」が問題なく動作。
・Pentium4 3.6GhzのIntel Mac開発用キットを2006年末までデベロッパ向けにレンタル。
・Intelへの移行の理由は「最高のマシンを作るため」。

Intelのプロセッサ上で動作するMac OSは、5年前から秘密裏に開発が進められていたことが明らかにされたなりが、噂レベルではこれまで何度か報道されたことがあったなりよね。そのたびに「すわ、Intelに移行か」とMacコミュニティがざわめいたものなりが、ようやくそれが現実となったわけなり。

Macユーザーにとってintelのプロセッサに移行することで最も心配なのは、アプリケーションやドライバの移行がどうなるのか、ということ。基調講演を見る限りでは、アプリケーションに関してはユーザーが心配することは何もないようなりよ。実際にデモでもIntelのPentium4 3.6Ghzを搭載したマシン上で、Mac版の「Adobe Photoshop」が動作していたなりからね。ただ、ドライバに関してはあまり言及が無かったため、今後周辺機器メーカーなどは対応に追われることになるのかもしれないなり。

しかし、今回の発表はあくまでも「2006年以降にIntelのプロセッサを搭載した製品を投入する」というもの。つまり、それは向こう1年間はもう魅力的なMacの新製品が市場に投入されることは無いことを意味しているなり。まあ投入したところで、PowerPCを搭載したMacを今さら購入するユーザーは少数派なりからねぇ。でも、この移行に向けての1年間の空白は、アップル・コンピュータにとって吉と出るか、凶と出るかは現時点では判断が難しいところなりよ。いかにIntelのプロセッサを採用したMacが魅力的とはいえ、ユーザーのMac離れを加速させる可能性だって否定はしきれないし……。

ちなみに、Intelのプロセッサ採用後の具体的な「新しいMac」についてはあまり語られなかったので、どのような変化があるのかはまだ分からないなりよ。恐らく、多くの人が期待しているような、「WindowsマシンにMac OS Xをインストールできる」という可能性は低そう。それをやってしまうと、アップル・コンピュータがハードから収益を上げられなくなってしまうなりからね。どのような「新しいMac」になるのか、今後徐々に出されるであろう情報を逐次追って行きたいと思うなり。

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