「クールビズ」本日からスタート。

2005/06/01 05:20 Written by コジマ

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中央省庁だけでなく、地方自治体や国会でも本会議場以外では認めた「ノーネクタイ・ノー上着」などの夏の軽装化(愛称「クールビズ」)。いよいよ今日、6月1日からスタートしたのだ(9月30日まで)。ワイドショーなどで議員への激しい服装チェックが行われそうだけれど、これに触発されて、デパートでは軽装コーナーが特設されたり、社員に奨励する企業も増えているなど、一般社会にも深く浸透してきているのだ。

「クールビズ」は「体感温度が2度下がる」ということで、冷房エネルギーの節約を目的に環境省が提案したもの。義務ではないうえに、「常識とセンスに任せる」と小泉純一郎首相が言うように、「ノーネクタイ・ノー上着」だけでなく服装は基本的には自由のようなのだ。

仕事では、取材などで「偉い人」に会う以外スーツを着ないぼくは、夏場に“完全武装”したサラリーマンを見るたびに気の毒に思っていたのだ。Tシャツ1枚でも汗がにじむ猛暑のなか、長袖を2枚も着込んだうえに首をシルクの布で締め付けるなんて服を着てサウナに入るようなもので、よく考えるとすごく不自然なのだ。

「スーツを着ないと失礼に当たる」なんていうけど、そもそもスーツは夏でも涼しい欧州が発祥で、湿気が多い日本には適していないのだ。そんなに正装がいいなら、紋付き袴やタキシードでビジネスしろと言いたくなっちゃう。最近は清涼スーツなるものが流行ってるそうだけど、やはりシャツ1枚にはかなわないのだ。毎年、世界的に気温も上がっていることだし、この「クールビズ」を数十年後には欧州でも採用し出すのではないだろうか。その前に地球が破綻してたりして。

ここで頭を悩ませるのが、服選び。すでにオッサン化しつつあるぼくの友人たちも「オマエさあ、毎日自由な服装でめんどくさくないの? スーツだったら選択肢が少ないから楽じゃん」と言っているように、朝の時間のないときに服を選んでるヒマはないのだ。ぼくも「気に入らねえ」とか思いながらも、タイムアップでそのまま出勤しているときが多い。まあ、前の晩から用意しておけばよいのだけれど。

今まででも「カジュアルフライデー」と称して金曜日には自由な服装をしている人が多いけれど、オジサマたちは揃いも揃ってポロシャツにチノパン。これでは面白くないのだ。まあ、服装を面白くするために働いているのではないのだろうけど、もし会社に「クールビズ」が導入されたら、夏の間に毎日毎日同じような格好では女子社員の目も気になるだろうし、ここはひとつ、オシャレに気を遣ってはいかが?

かといって、雑誌「LEON」などで研究して慣れない服を高い店でひいひい言いながら買うのは愚の骨頂なのだ。無印良品やユニクロに行けば、ほどよいものが手頃な値段で買えるし、コーディネートもディスプレーされているのでそれを参考に服を買えばよいのではないだろうか。“まんま”買うのは恥ずかしいだろうけど、慣れるまでのファーストステップということで。街を歩いてる人を参考にしてもいいし。オシャレに目覚めれば体型も気になりはじめ、ダイエット→健康志向と、省エネだけでなく医療費削減にもつながるのだ。

環境問題だけでなく、「真夏でもスーツじゃないと失礼」という不自然な意識を改革するよい提唱なのに、「細田官房長官もノーネクタイで記者会見に臨むなど、国は省エネのPRに懸命だ」(朝日新聞)などと、新聞が揶揄とも取れる記事を書くのはどうかと思う。批判の精神は大切だけど、いいものはいいとちゃんと言ってほしいのだ。「格好が悪い」と国民から総スカンを食らった1979年に時の大平内閣が提唱した「省エネルック」のように消えてしまわないことを祈るのだ。

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