人間の母乳で育てられたトラの赤ちゃんが死亡。

2005/05/12 22:43 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ううう、なんとも悲しいニュースが入ってきました。Narinari.comの過去コラム「育児放棄されたトラの赤ちゃん、人間の母乳で育てる」でも紹介した、ミャンマーの動物園のトラの赤ちゃん2匹が、死んでしまったそうなのです……(涙)。

これはヤンゴン動物園で飼育されていたベンガル・タイガーの「ノア・ノア」から生まれた3匹の子供達。1匹は生後まもなく、育児放棄した母親にかみ殺されてしまい、残る2匹もこのままでは生き残ることが出来ないと、飼育員が育てることになったのです。

ところが困ったのが彼らの食事。まだ幼い仔トラたちは母乳が必要です。かといってトラの母乳はなかなか手に入らず……。そこで人間の母乳を代わりに与え始めました。助けの手を差し伸べたのは、自分自身も生後まもない男の子がいる女性。1日数回動物園を訪れて、赤ちゃんトラに授乳を続けました。トラとヒトという、種を超えた珍しい育児ケースとして、このニュースは世界中で紹介されました。

しかし当初は問題なく育っていた様子の彼らですが、やはり違う種の母乳だと栄養が偏ってしまったのでしょう。徐々に元気がなくなり、暑さが厳しくなってきた頃に熱中症と脱水症状にかかってしまいます。そしてまずメスの赤ちゃんが死亡。その6日後にはオスのほうも……。ううう、おいたわしや(涙)。

ちなみにヤンゴン動物園でトラの赤ちゃんが生まれたのは、開園16年目にして初めてのことでした。それだけに関係者の落胆は大きいものにちがいありませんねぇ。

ご冥福をお祈りいたします。

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