開発者が語るNTTドコモのスマートフォン型FOMA「M1000」。

2005/04/26 15:56 Written by コ○助

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Symbian OSを搭載したモトローラ製スマートフォン「Motorola A1000」をベースに、日本向けにカスタマイズしたNTTドコモのFOMA端末「M1000」。FOMAのネットワーク以外にGSM/GPRSに対応しているため海外での利用もOK、国内外で利用できる無線LAN(802.11b)に対応するなどネットワーク周りが強化されている端末なりね。ほかにもタブ機能付きのフルブラウザ「Opera 7.5」やWord、Excel、PowerPoint、PDFなどのファイルを閲覧することができる「ドキュメントビューワ」を搭載するなど、従来の携帯電話ではできなかったことを実現する、高機能な端末に仕上がっているなりよ。

ただ、残念なのはiモードやiアプリなど、既存のFOMAで普通に利用できるサービスが利用できないこと。豊富な資産を活用できないのは、単純にもったいないなりよね。「iモードが利用できない=『@docomo.ne.jp』のアドレスが使えない」ということでもあるので、機種変更もしづらいだろうし。また、POP/IMAPメールに対応していても、FOMAユーザー向けネット接続サービス「mopera U」に加入していないとメールの自動受信もできないなど、普通の携帯電話の感覚で手にすると、あまりの使い勝手の違いに愕然とすることになるかもしれないなり。高機能ながら、携帯電話としての使い勝手は改善の余地あり、といった感じなりか。

そんな「M1000」を開発を担当したNTTドコモのユビキタスサービス部の面々に対するインタビュー記事が、ITmediaに出ていたなり。どういった発想の元に投入された端末なのかよく分かる記事だったので、少しみておくことにするなりね。

「PDAに通信が付いた──というアプローチではなく、今の携帯電話で不満な点を掘り下げて開発したというスタンス」
「ハードウェアキーを付けると、どうしても端末が大きく厚くなってしまう。大きな画面でフルブラウザを使うという点にこだわりつつ携帯の形状を保つためにこの形になった」
「現状ではビジネスでインターネットを使う場合、どうしてもノートPCやPDAといったサブの情報端末を持って行かなくてはならない。それを携帯に取り込めないか──というのが、M1000の狙い」

「今の携帯電話で不満な点を掘り下げて開発した」というアプローチ自体は良いと思うなりが、今の携帯電話で普通に備わっている機能(iモードやiアプリ)を削いだことで、それらが使えないことが不満になってしまうという点は本末転倒な気も。また、「M1000」は「パケ・ホーダイ」に対応していないため、インターネットを利用の際にはどうしても通話料金を気にしながらになるので、結局は「ノートパソコンやPDA+定額制のPHS」という組み合わせに勝る魅力は感じられないかな、と。

とはいえ、日本になかなか登場して来なかったスマートフォンの文化を根付かせようという気概は感じられる端末ではあるので、さまざまなユーザーからの不満点を今後の開発に活かしながら、魅力的なスマートフォンを投入し続けて欲しいものなり。

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