主力のエレクトロニクス部門の業績が低迷し、以前ほどの輝きが無くなってしまったソニーなりが、やや遅すぎた感はあるものの、経営陣を刷新する方針を固めたようなりよ。まだ正式発表では無いので状況が変わる可能性はあるなりが、ソニーの「顔」が変わるときがついにやって来たなりね。
日経新聞などの報道によると、ソニーは現在の低迷状態の打開策として経営陣を総入れ替えする方針を固めたようで、出井伸之会長兼グループCEO(最高経営責任者)と安藤国威社長が退任。後任として出井氏の役職にハワード・ストリンガー副会長が、安藤氏の役職に中鉢良治副社長が昇格する人事案で最終調整に入っており、7日にも取締役会を開いて内定するというなり。これからのソニーの「顔」は、初めて外国人となるなりね。
ハワード・ストリンガー氏は1942年、イギリス生まれの63歳。アメリカのCBSで30年間ジャーナリストとして活躍し、1988年からはCBSの放送部門の社長に就任。1997年にソニーの米国法人の社長に転身し、1998年からは会長兼CEOに就任しているなり。現在はソニーの副会長も務めているなりね。2000年にはイギリス女王陛下からナイトの爵位を受けている人物でもあるなり。
中鉢良治氏は1947年生まれの57歳。1977年にソニーに入社、技術畑を歩んできたようで、経歴を見ると「磁気製品事業本部 研究開発部所属」「記録メディア事業本部 ビデオテープ事業部長」と、主に磁気テープに関する開発などに携わってきた人物のようなり。技術系の人間が社長に就任したというあたりにも、ソニーの原点である「モノ造り」への回帰という姿勢を明確に打ち出した人事と言えそうなりよね。
人事を刷新したからといってすぐにこの低迷状態を抜け出せるわけでは無いなりが、2006年はソニーの創業60周年にあたる年。技術力が低下し、独自規格に縛られ、身動きの取れない状態が続く現在の厳しい状況を目の前に船出していくストリンガー&中鉢体制が、記念すべき年を前にどのような改革をしていくのか。ソニー好きの一人として、注目しておきたいところなり。
(17:00追記)
正式発表されたなり。出井伸之会長、安藤国威社長、久夛良木健副社長が退任。ハワード・ストリンガー会長兼CEO、中鉢良治社長、井原勝美副社長がそれぞれ就任。
☆ソニー社長の変遷
1946年05月〜 前田多門社長(※東京通信工業設立当時)
1950年10月〜 井深大社長
1958年01月 社名をソニーに変更
1971年06月〜 盛田昭夫社長
1976年01月〜 岩間和夫社長
1982年09月〜 大賀典雄社長
1995年04月〜 出井伸之社長
1997年12月 井深大氏が他界
1999年10月 盛田昭夫氏が他界
2000年06月〜 安藤国威社長