アステルの地域会社が全国各地から姿を消し、業界全体が縮小傾向にあるPHSなりが、赤字が続くNTTドコモもPHS事業からの撤退を検討し始めているようなりよ。「撤退検討」の報道はこれまでも何度か流れたことがあるなりが、年々経営を取り巻く環境が厳しくなっているPHSなので、今回は現実味を帯びてきそうなタイミングではあるなりね。
日経新聞の報道によると、赤字を垂れ流す不採算部門であるPHS事業について、NTTドコモは早ければ4月から新規加入の申し込み受付を終了。2〜3年後をめどにサービス自体も停止することを検討しているというなり。PHS事業から撤退することで、経営資源を携帯電話の技術開発・営業に集中させ、猛烈な追い上げを見せるauとの競争に備えるのが狙いなりね。
現在、NTTドコモのPHSの契約者数は1月末日現在で1,369,200人。最大手のウィルコムの2,991,200人の半数以下と、かなり厳しい状況に置かれており、何か月にも渡って純減が続いているのが現状。参考までに、この1年間の契約者数の動向を見ておくと。
2005年01月 1,369,200(-22,700)
2004年12月 1,391,900(-22,200)
2004年11月 1,414,100(-24,000)
2004年10月 1,438,100(-21,800)
2004年09月 1,459,900(-23,000)
2004年08月 1,482,900(-26,900)
2004年07月 1,509,800(-27,200)
2004年06月 1,537,000(-25,100)
2004年05月 1,562,100(-18,400)
2004年04月 1,580,500(-11,400)
2004年03月 1,591,900(-10,500)
2004年02月 1,602,400(-8,400)
全く上がり目が無く……どころか、純減の幅が徐々に拡大しているようにも見えるなり。1年間で25万近いユーザーを失っているという状況を考えると、撤退もやむなしといった感じなりか。
NTTドコモのPHS事業は、1995年に子会社のNTTパーソナルを通じてサービス開始。経営不振から1998年12月にNTTドコモに経営移譲され、データ通信を中心に据えた積極的な展開に打って出たなりが、最大手のDDIポケット(当時)に比べると64kbps通信の全国カバーや定額制の導入などで後手後手に回ってしまい、結局ズルズルと競争から脱落。音声端末も2002年から新機種が投入されていない(腕時計型端末の「WRISTOMO」は除く)など、徐々に事業は縮小の方向に流れてはいたなり。
まだ日経新聞が報じているだけなので、今回の報道をNTTドコモが否定する可能性はあるなりが、仮に今回否定したとしても、そう遠くないうちにまた同じような撤退報道は必ず出て来そうなりよね。サービス開始からわずか10年程度。PHSが産声を上げた頃からのユーザーとしては、こうして業界が縮小していくことに寂しさを感じないわけにはいかないなりね。残念なり。