姿消す「飛ぶボール」、8球団が「飛ばないボール」を採用。

2005/01/27 07:19 Written by コ○助

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ここ数年のプロ野球は「打高投低」だと言われるなりが、その主な要因として挙げられていたのが「飛ぶボール」。そもそも同じ条件のものが使われるべきボールに「飛ぶ」とか「飛ばない」といった違いがあること自体が間違いのもとだったなりが、「ホームランが量産され過ぎる」といった様々な批判の的になっていた「飛ぶボール」が、今季から姿を消すことになったなりよ。

簡単に「飛ぶボール」とは何なのかをおさらいしておくと。プロ野球の公式球は日本野球機構が定めた基準に則って生産され、検査に合格したもの。日本では8社から公式球が提供されているなりね(メジャーは1社による独占)。検査の方法は「ピッチングマシンから放出される球を、約1.5メートル離れた鉄の壁に当て、壁に当たる前の速度と跳ね返った後の速度で反発係数を測定する。最高時速252キロまで6段階で計測し、その反発係数が規定内であれば合格」というもので、基準は「反発係数が0.41〜0.44の範囲」に収まっていること。

つまり、8社が生産している公式球は基準の範囲内で反発係数が異なるものが存在しているということなりね。そして、その中で「飛ぶボール」と「飛ばないボール」が生まれている、ということなり。

最も「飛ぶボール」と言われているのはミズノが生産しているもの。プロ野球の試合に使われる公式球は各球団によって採用しているメーカーや種類が異なるなりが、昨年までこのミズノの「飛ぶボール」を採用していたのは巨人、横浜、中日、西武、近鉄、ダイエー、日本ハム、ロッテ、オリックスの9球団。横浜や中日は「飛ぶボール」を採用した年から本塁打数が激増するなど、数字としてハッキリと「飛ぶボール」の威力が現れていたなりね。

ただ、「飛ぶボール」を採用していない球団からは非難囂々。また、ファンの間からも「『飛ぶボール』のせいで野球が面白くなくなった」という反発が出始めていたことから、ミズノは逆に「飛ばないボール」の開発に着手。そして26日に、飛距離を抑える新ボールが正式に発表されたなり。

ミズノが球速144キロ、スイング速度126キロ、飛び出し角度27度といった一定の条件下で計算をしたところ、従来のボールの飛距離が約112.5メートルだった場合は、新開発の「飛ばないボール」だと約110.4メートルにまで落ちるというなり。実際の試合ではもう少し誤差が出てくるとはいえ、2メートルの差は大きいなりよね。フェンスにギリギリ飛び込むようなホームランはすべて外野フライになるわけだし。極端に打球が飛ばなくなるのも面白くはないなりが、「飛ぶボール」の力でスタンドインするような打球を見るよりは、「飛ばないボール」のほうが断然良さそうなり。

この「飛ばないボール」は、昨年「飛ぶボール」を採用していた9球団(近鉄とオリックスが合併したので、正確には今季は8球団)が採用することがすでに決定。ほかの球団は他社製の普通のボールを使用しているため、プロ野球から「飛ぶボール」が姿を消すことになるなりね。

これでようやく少しはまともな状態に戻ることになるなりが、今度は極度の打撃不振に陥る打者も出てきそう。昨年までの感覚でバットを振っても、打球が飛ばないようになっているなりからね。どの選手が「飛ばないボール」の影響を受けるのか、そんな見方をしながら野球を観るのも面白いかもしれないなり。やはり大砲揃いのあの球団が一番影響が出てくるなりかねぇ。それとも、「飛ぶボール」で打撃力が底上げされていたあの球団……?

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