子供の試合に親が興奮、コーチのクビを絞める。

2005/01/19 12:36 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカ人がよく使う言葉「サッカー・マム」というのをご存知でしょうか?これはいわゆる中流階級に属し、家庭と子供を大切にして、さらに信仰深く教会にも毎週通い、チャリティーなどの地域活動にも進んで参加する……といった30〜40代の既婚女性を指す言葉です。

イメージ的には、コットンセーターやカーディガンに、下はジーンズかカーキパンツといった動きやすい服装をしており、運転する車はもちろんミニバン。自分自身のおしゃれよりも、子供にサッカーなどのスポーツを習わせるのに熱心なお母さん達、という理由でこの名がつけられたのだとか。日本のいわゆる「負け犬」と呼ばれる女性達とは、正反対といった感じでしょうか。

さてこのサッカー・マムに限らず、アメリカやカナダの北米地域では、とかく親が子供にスポーツを習わせることが活発です。これは単に塾通いの習慣があまりなく、子供達に時間的余裕がある……と言った理由だけではありません。

こちらでは大学に入学するのに、スポーツでの推薦入学や奨学金といった制度がとても盛ん。スポーツがエンターテイメントとして定着している北米では、大学所属のチームでさえもファンが多く、収入もかなりあります。なので学校側もビジネスとして、より良いフッっトボールやアイスホッケーの選手が欲しいのが本音。結果としてこれらスポーツ選手は学校から特別待遇で入学を許可される、というワケなのです。

こんな文化的背景と、「我が子には良い大学に」そして「出来ることなら学費も安く」という親心が反映され、今日も子供達のスポーツの応援に声をからすお父さんお母さん達。もうこちらでは珍しくもない光景です。

しかしあまりにも熱狂的な親になると、時々とんでもない行動に……。子供の活躍に一喜一憂するがあまり、応援の掛け声が乱暴になったり、敵の親同士で喧嘩したり、と子供が見ているのも忘れて大騒ぎです(汗)。

例えば、9才の息子がアイスホッケーの試合に出場させてもらえなかった事に腹を立て、コーチを絞め殺そうとしたのはトロントにお住まいのお父さん。なんでも止めようとする人達を振り切って、コーチを床に押さえ付け、その後現行犯で逮捕されたちゃったとか。

この他にもトロントでは、試合中に相手側の選手を慌てさせようと、下着姿になってしまったお母さんもいたとか。この女性、その後トロント近郊のホッケー会場から1年間の立ち入り禁止処分を受けたそうです。

とほほ……。

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