メキシコから逆輸入のコカコーラが静かな人気。

2004/12/12 14:53 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカはさすが移民の国。それなりの大きさの都市の近郊には、あちこちに小さな輸入品専門の食材店が見付かります。中華系、韓国系と言ったアジア食材店から、インド系、ロシア系、ヒスパニック系、ヨーロッパ諸国のお店まであります。これらは大体がこじんまりとした規模の小売店ですが、各国の珍しい素材が沢山あり、店内を見ているだけで楽しくなります。

さてウォール真木宅の近所にも、一軒メキシコ食材店があるのですが、最近こういったメキシコ人を相手にした専門のスーパーなどに、アメリカ人も多く訪れると言う現象が、全米で起こっているそうなのです。

彼らアメリカ人が買い求めているのは、なんとコカ・コーラ。言うに及ばず、アメリカが本場のあのドリンクです。全米どこででも手に入るソーダですよ。しかもメキシコ食材店では、通常より5割増しで売られています。何故かというとこれらはメキシコから逆輸入されたコーラだからです。しかしどうしてメイド・イン・メキシコのコーラをわざわざ求める人が増えてきたのでしょうか。

メキシカン・コカ・コーラは昔ながらの緑色のガラスのボトルに入っています。これが、アメリカ人にはとてもレトロに見えるから人気なのだそうです。確かにこちらでは運送の合理的さも手伝って、プラスチック・ボトルや缶入りが主流。真ん中のくびれた、あのシグネチャーな形ののガラス瓶はほとんど見かけません。

そしてもうひとつ。なんでもメキシコ産コカ・コーラは味が格別に美味しいと評判になっているのだそうです。アメリカではコカ・コーラの甘味料としてコーン・シロップが使われているのですが、メキシコでは昔ながらのオリジナル・レシピと同様に、サトウキビの砂糖が使われています。これが通に言わせると、断然美味なんだとか。さらに、メキシコのコーラの方が炭酸がきつくなく、風味を素に味わえるのだそうです。

メキシコはコカコーラの消費量が全世界一。一年になんと一人当たり487本ものコーラを飲むらしいです。そんなメキシコの人々が、アメリカに移住して来てもコーラを飲むワケですが、メイド・イン・アメリカのコーラは味が違う!と口をそろえて言うんだそう。やっぱり自国のコーラが一番!とばかりにわざわざ輸入し始めたほど、その違いは大きかったようです。で、その内アメリカ人の間にもその「風味の違い」が話題になってきて、今回のようにメキシカン・ストアのヒット商品になってきているのです。

アトランタに本社があるコカコーラ社は、アメリカ産もメキシコ産も味はほとんど変わりません!とコメントを発表したそうですが、消費者の舌はごまかせないと言うことでしょうか。

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