映画「さゆり」のキャスティングに米国でもブーイング。

2004/10/08 18:52 Written by コ○助

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日本の芸者の姿を描いたアーサー・ゴールデンのベストセラー小説「さゆり」の映画化である「Memoirs of a Geisha」。もともとスティーブン・スピルバーグ監督が温めていた企画を、「シカゴ」のロブ・マーシャル監督が引き継ぎ、映画化するものなりが、先月発表された主要キャストの顔触れは、日本でもかなり物議を醸したなりよね。これまでに明らかにされているキャストを整理しておくと。

新田さゆり(主人公)……チャン・ツィイー(章子怡)
初桃(さゆりをいじめる芸妓)……コン・リー(鞏俐)
豆葉(さゆりが慕う先輩)……ミシェル・ヨー
岩村堅(さゆりが慕う年上の男性)……渡辺謙
延俊和(さゆりに恋する男性)……役所広司
おカボ(さゆりの親友)……工藤夕貴
置屋の女将……桃井かおり

渡辺謙と役所広司を配したのはナイスなキャスティングなりが、日本でも疑問の声が上がったのは日本人の芸者役に中国の大物スターであるチャン・ツィイーやコン・リーといった面々を配したところ。アメリカでもヒットを記録した「グリーンデスティニー」や「HERO」に出演し、知名度が抜群のチャン・ツィイーを主人公にしたのも分からなくは無いなりが、日本を舞台にし、日本の伝統文化をテーマにした作品だからこそ、あえて無名でも日本人の俳優を配して欲しかったなりよね。

こういった疑問が出るのは何も日本人の間からだけでは無かったようで、アメリカの映画ファンのサイトなどでも主要キャストが発表された直後から「日本人を起用すべき」「日本の伝統を無視したキャスティングに失望」「スピルバーグが監督だったら、日本人を起用したはず」といった書き込みが相次いでいるというなり。

アメリカの映画ファンの間では「もし、日本人が主演するなら」という仮定の話も出ているようなりが、
「ファンの間では、小雪と栗山千明が主役候補の人気を二分した」(ロス在住映画記者)
というなりよ。でも、これって単に「ラストサムライ」と「キル・ビル」のイメージだけじゃないなりか(笑)。アメリカの映画ファンも分かってないなりねぇ。

ちなみに、現在はロサンゼルスで衣装会わせとリハーサルが行われているようなりが、着物の着付けはアメリカ人のスタッフが行っているのだとか。だ、大丈夫なりかね……。撮影が始まる前から、何やら怪しい雲行きになっているなりねぇ。キャストは百歩譲って妥協するにしても、ディテールにこだわらず、歪んだ日本が描かれた作品になってしまったら、きっと後世まで語り継がれる駄作になること間違いなし。ロブ・マーシャル監督が下手を打たないことを祈るばかりなり。


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