ボーダフォン、新社長に元NTTドコモ副社長を招聘。

2004/08/16 17:56 Written by コ○助

このエントリーをはてなブックマークに追加


7月の契約者数がついに純減に転じ、NTTドコモ、auと共に築き上げてきた3大キャリア時代の終焉を感じさせ始めているボーダフォン。そもそもはJ-PHONEからボーダフォンに社名変更の際に掲げられた「10の約束」を破棄し、通話料金の値上げ政策に乗り出したことなどがユーザーの反感を買っているためなりが、その悪い流れはなかなか止まる気配を見せていないなりね。そして6月23日には業績悪化の責任を取りダリル・グリーン社長が辞任。ボーダフォンの「迷走」状態を表すと共に、ユーザーに不安感が広がっていたなり。

グリーン社長の辞任から2か月、社長の座はボーダフォン取締役会のブライアン・クラーク議長が暫定的に兼務していたなりが、8月16日、元NTTドコモ副社長の津田志郎氏を代表執行役社長兼CEOとして招聘することが発表されたなり。正式に代表執行役社長兼CEOに就任するのは12月1日付けからなりが、16日付けでボーダフォンホールディングスおよびボーダフォンの執行役に就任しており、4か月の期間を持って準備を進めていくようなり。

この人事はかなり衝撃的なもの。津田氏といえば、「NTTドコモのプリンス」と呼ばれ、次期社長の大本命と言われ続けてきた人物。NTTドコモ副社長時代の今年4月には、立川敬二前社長の後釜として名前が挙がり、各紙が一斉に「昇格人事が決定」とまで報じられていたなりね。この報道は誤報だったわけではなく、本当に一時はNTTドコモの社長に内定していたようなり。ところが、裏でどういった経緯があったかは定かではないなりが、実際にNTTドコモの社長に就任したのは中村維夫氏のほう。社長の座を巡る政争に敗れた津田氏は5月にNTTドコモ副社長を退任し、6月からドコモエンジニアリングの代表取締役社長に就任していたなり。

津田氏は1970年にNTTの前身の日本電信電話公社に入社して以来、ずっとNTT畑の人物。1992年のNTTドコモ設立に参加し、経営企画や国際戦略などを手掛け、「iモード」や「FOMA」などの事業を推進してきた中心的な人物なり。NTTドコモのすべてを知り尽くしている人物と言っても良さそうなりね。社長一人の力でガラッと何もかも変わるわけでは無いなりが、これまでのボーダフォンには無かった革新的な人事だけに、津田氏の招聘によって新たな風が吹き込むのは確実。ボーダフォンが日本の携帯電話市場を熟知した船頭を迎えたことで、まだまだ息を吹き返しそうな予感がしてきたなりよ。巨人・NTTドコモを猛追するau、という2強の構図にボーダフォンが参戦してくることに期待したいものなり。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.