実際、昨年のプロ野球ドラフト会議では、香川オリーブガイナーズの深沢和帆投手が巨人の5巡目で、高知ファイティングドッグスの角中勝也外野手がロッテの7巡目で指名を受け、プロ入りを果たしているなり。リーグの実力的にはプロ野球の2軍よりも、もう少し下のレベルとの評価が一般的で、まだまだ実力不足は否めず。でも、設立からわずか2年でプロ選手を輩出したことは、大きな意味があるなりよね。
ただ、初年度こそメディアの注目を集めて盛り上がりを見せていたなりが、2年目以降はメディアに登場する機会もガクンと減り、地元の人たちもやや関心が薄くなってきている様子。リーグを運営するIBLの経営も逼迫しており、初年度(2005年度)は3億円、2006年度は1億5,000万円の赤字と、まさに火の車状態なりよ。スポンサーが離れ、入場者が伸びず、話題性も下降線と、高い志を遮る大きな壁がいくつも立ちはだかっているなりね。
そんな中、リーグの構想を1997年頃から抱き続け、設立に向けて奔走してきたIBLの石毛宏典社長が突如退任することになったなりよ。経営悪化の責任を取り、と言えば聞こえは良いなりが、スポーツニッポンによると退任の理由は「当初思い描いた業績には届かず、十分な報酬を得られないため」だそう。薄給でも上を目指して頑張っている選手で構成されたリーグの長が、「十分な報酬を得られないため」という理由で退任。この決断には一部から「無責任だ」「志はそんなものだったのか」と批判めいた声も出ているなりよ。
石毛氏はIBLの社長職は辞任したものの、リーグのコミッショナーとしては残る見込み。いろいろと事情はあるのだと思うなりが、かつてインタビューで「このリーグがポシャったら、私は千葉に帰って百姓をやる覚悟です」と不退転の決意を語っていたこともあるだけに、何とも寂しい決断だったなり。