
蘇生で祝賀モード。
2012/07/03(Tue) 05:51
実は先月、日本に帰っておりました。一足早い夏休みってやつです、はい。そして到着翌日は早朝から

まず、寿司だーーーっ!
とばかりに、築地市場へ。久しぶりの新鮮なお寿司に涙が出ました。やっぱり日本は食べ物が美味しいなぁ。クローニン真木です、こんにちは。
2週間ですっかり肥えまして。
さて。
先日のことなんですが。そろそろシフトも終わるなぁ、という朝の6時半過ぎの仕事場に「アテンションプリーズ! アテンション・プリーズ!」の放送が流れました。コード(緊急事態発生)のアナウンスです。
やっぱり病院なので、なにかと緊急事態が起こります。コードの種類ごとに短い名前が決められており、火事なら「コード・レッド」、赤ちゃんの拉致・誘拐は「コード・ピンク」、誰かが暴れ出してセキュリティが必要な場合は「コード・ストロング」、そして心臓、呼吸停止の患者さんが出てしまったら(又は運ばれて来たら)「コード・ブルー」です。ちなみにブルーとストロングの発生率の一番多い場所といえば、やっぱりERなワケで(涙)。ってことで、今回もコード・ブルーがやって来ました。アナウンスを耳にしてすぐ、病室から「ちょっと、失礼しますね~」と、病室をトラウマ・ルームに猛ダッシュです。
呼吸停止の患者さんです。ご年配の心肺停止では、まず心臓の疾患を疑いますが、今回来たような若い人のケースでは、ヘロインなどの麻薬過剰摂取を真っ先に疑います。呼吸止まりますし、瞳孔が小さくなって反応がなかったら、まず大当たりです。
ってことで、麻薬の拮抗剤を注射します。このお薬、特効性なのですぐに蘇生します。しかも、意識も一気に目覚めるのです。
で、今回も呼吸停止で真っ青になっていた状態から、「がばっ!」
とばかりに見事一瞬にして正気に戻った患者さん。
そんな彼を見て、それこそスタッフ一同「やたー!」みたいに手を叩いて、それまでの緊張した空気から一転して祝賀モードです。しかし目を覚ましたら、全く知らない場所で、見知らぬ顔が大勢で自分を見下ろしてる……。彼にとっては、本当にワケ判らないシチュエーションに違いありません。
しかも「ここ、どこ!?」と本人は大混乱している状態なのに
病院だよー。
いやー、もう死にかけてたよー。
ってか、顔真っ青だったから、死んでたかもしれないねー。
あと数分遅かったら、絶対にダメだったんだよー。
病院に運んでくれた友達に感謝しなー。
よかったねー。
よかったねー。
などと、笑顔で答える医療スタッフ。こんな状況でも軽さを求める、さすがアメリカン。でも、やはりちょっぴり意地悪なんじゃないかと……。なにはともあれ、無事でなにより。でも、お願いですからドラッグはもうやめましょう(涙)。
