ナリナリモバイル

メリケンな日常

モノメトロ

過去ログ

おすすめリンク

お問合わせ

メリケンな日常

親に甘えること。

2012/04/18(Wed) 14:22



夜勤明け、家に帰れば猫が「にゃー」とお出迎えしてくれるのは嬉しいのですが、顔は私の方に振りかえりつつも、やっぱり彼らの足はキッチンにいそいそ向かっております。これを無視しようものなら、トイレやベッドまで追いかけられる飼い主、クローニン真木です。こんばんは。

チビにいたっては、ドアをこじ開ける特技も取得しちゃいました。眠たい目をこすりつつ、ご飯タイムです。


はぐはぐ。



さて。

クローニン真木の病院の独身ドクターなんですが。先日、世間話なんぞをしておりましたら「いや〜、こないだ両親が家に滞在してたんだけど、母親がまるで僕を子供扱いでねぇ……」などと申しておりまして。なんでも、そのドクターが早朝4時半とかに起きて出勤するのに、お母様がそれより前に起きて朝ご飯作ってくれていたりしたそうです。

「朝ご飯いっつも食べないから、いらないっていってあったんだけど」

と、ぼやく彼。しかし、そんな話をしつつもちょっと嬉しそうです。

「甘えるのも、親孝行じゃないっすか」

「んー、だね」

このドクター、以前時間が空いた時に身の上話をしてくれたことを思い出しました。彼はベトナム人で10人兄弟。小さい頃はベトナムに住んでいたのですが、ご家族がキリスト教徒だったことなどで、本国ではいろいろと迫害を受けていたそうです。そこで、ご両親は一家でアメリカに亡命を計画。しかし、家族全員一度にベトナムから逃げるには、いろいろと危険だったり、金銭的なこともあったそうで、子供を数人ずつ、難民ボートに乗せ、先に見送ることにしたのだそうです。

ある朝、今まで泣いたことのなかったお母様が目をまっ赤にして、ドクターとお兄さんお姉さん計4人に「どこどこで、だれそれに会って、指示をちゃんと聞くように」と教えられたそうで、気がつけば小さな漁船に知らない人たちに囲まれて乗っていたとか。

その時、彼はたったの7歳。11日間、海を漂った漁船はノルウェーの漁船に発見され、難民キャンプのある隣国の港まで連れて行かれたとか。それまで体を縮めて狭いボートに座り続けていた彼は、陸に上がった時、立ち上がることも出来なかったそうです。その後、いくつかの難民キャンプを兄弟と渡り歩き、アメリカのホストファミリーに引き取られ、そこで残りの家族がやってくるのを待っていたのです。

何年ごとに数人の兄弟とアメリカで再会、ということを繰り返し、子供たちがみんな無事にアメリカにたどり着けたことを確認して、ようやくご両親がアメリカに。ドクターがベトナムを離れた日から、なんと12年後のことだったとか。

「ぼくの高校の卒業式の2日前に、やっと再会出来たんだ」

そんな身の上のあるご家族なんですから、やっぱり思いっきり甘えましょうよ、ドクター(涙)。

TOPへ戻る