■ 2002年09月23日 (Mon) 先日、深夜にやっていた映画「激突!」を何となく観てしまったなり。 夜中の3時頃、そろそろ寝ようかなというタイミングで始まった「激突!」。 コ○助は小さい頃から何度も何度も観ている作品なりが、何度観てもなぜか途中で観るのを止められない魅力があるなり。 「激突!」は1971年にテレビ映画用に製作されたスティーブン・スピルバーグ監督の出世作。 アメリカでは劇場公開されなかったなりが、海外では多くの国で劇場公開され好評を博し、一躍スティーブン・スピルバーグ監督の名前を世界に知らしめた作品なり。 ストーリーは極めてシンプル。 主人公の乗った乗用車が、得体の知れない大型タンクローリーに追いかけられるというもの。 なぜ追いかけられるのか、なぜひき殺されそうになるのか。 最後まで明確な説明は無く、「え?そんな理由?」というところに若干脚本の苦しさを感じてしまうものの、でも徹底してタンクローリーを不気味な存在に仕立て上げ、恐怖の対象に仕上げて見せたその手法はさすが。 タンクローリーの運転手の姿を写さずに手や足だけが見えるという演出は今となっては陳腐かもしれないなりが、製作されたのが30年も前ということを考えれば恐るべき演出なのではないかと。 スティーブン・スピルバーグ監督25歳の時の作品であり、数少ない低予算のスティーブン・スピルバーグ監督作品ということからも、相当アイデアを絞って製作されたということが随所にうかがえる作品なり。 コ○助が最初にこの作品を観たのは小学生も低学年の頃だったと思うなり。 暴力的なシーンがあったり、血が吹き出るようなシーンがあったりする恐怖ではなく、アルフレッド・ヒッチコック監督のような心理的な恐怖を描いた「激突!」に、心底震え上がったもの。 コ○助は親がヒッチコック監督の作品が好きだったこともあって、小さい頃から結構家でビデオを一緒に観ていたなりよ。 「鳥」なんて思わず失禁しそうになったくらい、怖かったような。 まあ10歳にもいかない頃だったので内容を厳密に把握、理解していたわけでは無いなりが、いつ、どんなかたちで鳥が襲ってくるのだろうというハラハラ、ドキドキした恐怖を感じたことは明確に記憶しているなり。 「激突!」も、そんな小学生のコ○助には同じような「恐怖映画」に映ったなりね。 次にどんなかたちでタンクローリーは迫ってくるのだろう・・・、最後はどうなってしまうのだろう・・・、なぜ殺そうとするのだろう・・・。 観ながら様々な考えが頭の中を交錯し、グイグイと引き込まれていく。 こう言ってしまうと反発もあるかもしれないなりが、最近のスティーブン・スピルバーグ監督の作品には無い力があるように感じるなりよ。 金もかかってないし、有名な俳優が出ているわけでも無いなりが、作品自体が放つ魅力がムンムンしている、と。 これが若さの持つパワーということなりかねぇ。 そうそう、よく「激突!」へのオマージュ的作品として名の挙がる、ジョナサン・モストウ監督の「ブレーキ・ダウン」という作品があるなり。 舞台がハイウェイ、自分は乗用車で敵(?)は大型の自動車(「ブレーキ・ダウン」ではトレーラー)、意味も分からず主人公が恐怖に突き落とされる(「ブレーキ・ダウン」では同乗していた妻が突如姿を消す)といった共通点が多いことから、「ブレーキ・ダウン」は「激突!」にオマージュを捧げた作品に違いないと言われることが多いなりが、正直この作品を観るたびに「激突!」の凄さを改めて感じる結果になるなりよ。 いや、「ブレーキ・ダウン」も「激突!」の存在が無ければそこそこ良くできたエンターテイメント作品なのかもしれないなり。 でも、ちょっと「激突!」の完成度が高すぎるなりね。 「ブレーキ・ダウン」はそういう意味で損をしているかもしれないなりが、まあ両作品を見比べてみるのも、結構面白いのではないかと。 「ジョーズ」や「ジュラシック・パーク」などで見せるスティーブン・スピルバーグ監督の恐怖描写のセンスの原点が垣間見られる「激突!」。 まだ観たことが無い人は、機会があればぜひ一度観てみて下さいなり。 きっと驚くこと間違いなしなり。
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