12月20日に公開されるウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「ベイマックス」の本ポスターが、10月16日に解禁された。今回使用されたビジュアルは、日本のために製作された特別なものだ。
本作は東京とサンフランシスコを融合したかのような架空都市“サンフランソウキョウ”を舞台に、優しすぎるケア・ロボット“ベイマックス”と天才少年“ヒロ”が繰り広げる感動アドベンチャー。
特別に作られた今回のポスターのテーマは日本の夕焼け。サンフランソウキョウに降り注ぐ夕日を描いたものだ。実は空気感(光の加減)についても強いこだわりを持って描かれるこの街は、昼間の強く真っ直ぐな光のイメージはサンフランシスコから、そして、夕方から夜の少し屈折したファンタジックな光は日本のそれをイメージしている。
リサーチで来日したドン・ホール監督とクリエイターメンバーは、それぞれ日本の文化に感銘を受け、特に光は印象的だったという。
「僕らが見た日本の光はとても美しかったんだ。ネオンの光も含めてね。東京はとてもモダンでクールなテクノロジーがあり、サンフランシスコの特徴的な土地と混ぜ合わせる事でとてもクールで興味深く、新しい独創的な世界が作れると思ったんだ」
その言葉通り、今回の夕焼けはまさに日本の光のイメージを反映して描かれ、日本人がノスタルジーを感じてしまうビジュアルとして仕上がっている。監督は「このポスターは映画のストーリーをしっかりと照らしていて、私たちが映画の核だと思っていることそのものです。つまりそれは悲劇的な喪失を味わったヒロと、ベイマックスの関係です。私たちが深みのある没入的な世界を作り上げたということを分かってもらえたら嬉しいです。そして(日本に影響を受けた)美しい照明とストーリーに込めたハートを感じてもらいたいです」と続けた。
☆日本人アーティスト・上杉忠弘氏がコンセプト・アートに参加
“サンフランソウキョウ”のコンセプト・アートには、実は日本人イラストレーターの上杉忠弘氏が参加していた。
上杉氏はストップモーション・アニメ「コララインとボタンの魔女3D」でデザインコンセプトを担当し、アニメーション界の権威であるアニー賞の美術賞を日本人で初めて受賞している世界的なイラストレーターだ。
そんな彼が「ベイマックス」でコンセプト・アートに協力し、日本の光の使い方を徹底的にディズニーのクリエイターに印象付けた。ディズニーのクリエイターは「ダタヒロはたくさんのコンセプト・アートをやってくれたんだ。彼の作品は本当に素晴らしいよ。彼はすべての作品でとてもマジカルな光の使い方をするんだ」と話し、ドン・ホール監督は「日本の文化を描くために正しい知識と、アーティスティックな感覚を持った日本人にどうしても協力して欲しかったんだ。世界的に有名なタダヒロ・ウエスギに助けてもらったんだ。彼は遠く離れた日本からこの作品に参加してくれた。彼の広大な知識と日本的な特色を多くの与えてくれたんだ。本当にラッキーだったよ」と絶賛。
サンフランソウキョウが日本人の心に刺さる理由は、こんなところにも隠されていた。
映画「ベイマックス」は12月20日(土)、全国ロードショー。