この動画は8月29日付で投稿された「Poker 'Bad Beat' Face You Won't EVER Forget」(http://www.youtube.com/watch?v=1FtJvWSvTS0)。投稿したのは、毎年夏にラスベガスで開かれる世界最大のポーカーイベント「ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)」を中継する米スポーツ専門局ESPNで、今年の2013年大会中にギルさんが対戦したゲームの一部を紹介したものだ。
最初、対戦相手と会話の駆け引きをしながらも、余裕たっぷりといわんばかりに笑みを浮かべているギルさん。ゲームはお互いに手札を2枚持ち、テーブル中央に置かれる5枚のカードとそれぞれ組み合わせて、役の強さを競うものだ。例えばギルさんの手札はダイヤのエースとスペードの10で、中央のカードと組み合わせると、彼はエースと10のツーペアが出来上がっている形。一方の対戦相手は、手札がハートのエースとダイヤのクイーンで、この時点ではエースのワンペアに留まっている。
そしてこの後に配られるカードは、残り1枚。このままでも勝てるギルさんは、フルハウスなどさらに役の発展も見込めるとあって、ESPNも勝利確率を93%と示すなど圧倒的有利な状況だった。一方の対戦相手は、クイーンを引いて同じツーペアに持ち込み、数字の大きさで勝ちを引き込むしか方法はない。動かなければ負けてしまうだけに、対戦相手はチップを出してベットを選択。最後の1枚にわずかな望みを託した。
そして賭け金は98万7,000ドル(約9,800万円)に上昇し、勝ちを確信して笑顔を浮かべていたギルさんだったが、出て来た最後の1枚はまさかのクイーン。その瞬間、顔の筋肉から力が一気に失われ、ものの数秒でギルさんは笑顔を不機嫌な表情へと変えた。93%得るはずだった勝利と約1億円を逃し、対戦相手から「君は素晴らしい仕事をしたよ」と声をかけられたのも切ないほどの大逆転劇をくらった彼は、後に「誰か金の儲け方を教えてくれ」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)とツイッターでつぶやいたという。