「永遠の0」は、第2次大戦時、臆病者と罵られながら“妻との約束のために生きて帰る”と言い続け、特攻で命を落とした一人の零戦乗りの生涯をその孫が終戦60年目の夏に辿る物語。2006年に発表された同氏のデビュー作で、発売当初は当時の戦況や時代背景と共に描かれた壮大なストーリーが口コミで人気となりロングセラーを記録した。
昨年10月には、発売から3年3か月で累積売上100万部を突破。今年に入ってからは1月に著者の百田尚樹氏がバラエティ番組「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)に出演すると、直後の2月4日付週間ランキングでは最高位の2位に上昇、4月21日には再び同番組に出演し、直後の5月6日付オリコン“本”ランキングでは初の首位を獲得した。今年12月には岡田准一主演、山崎貴監督で映画が公開されることも発表されている。
今回の上半期文庫部門1位について百田尚樹氏は「発売されて4年も経ってオリコン1位になるとは、想像もしていなかったことです。ずいぶん前に買った宝くじが当選してたと気付いた感じでしょうか(ちょっと違うか)。でも、映画公開で売れたのではなく、封切りの半年以上も前に1位になったのは、ちょっとだけ誇らしいです」とコメントを寄せた。
なお、2位は、今年1月に連続テレビドラマ化された、湊かなえ「夜行観覧車」(今年1月4日発売・双葉社)が、3位には、三上延「ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜」(今年2月22日発売・アスキー・メディアワークス)が入った。