英紙デイリー・メールやデイリー・ミラーなどによると、この女性は英中部の北ウェールズ・リルで暮らすクレア・オームロッドさん。3人の子どもをすでにもうけていた彼女は、2011年にパートナーである36歳のガレス・ジーさんとの間に、4人目の子アリスちゃんを妊娠した。しかし危険な合併症を発症させたオームロッドさんの状態もあり、アリスちゃんは25週目の12月6日に帝王切開で生まれたという。
誕生時の体重が約540グラムと、「ウェールズで生まれた最も小さな赤ちゃん」だったアリスちゃん。しかし、超未熟児で生まれたアリスちゃんには肺や心臓、腸などに疾患が見られ、脳機能も活動しない状態に。医師は「生き残れそうもない」と悲観的な見方を2人に伝え、生命維持装置を外す決断をしたそうだ。ところが、外す1時間半前から彼女は自発呼吸を始めて生きる力を見せ、母は“奇跡”と喜んだ。
そして、親子にそんな苦しさと希望が与えられてからわずか7週間後。4人目を産んだばかりのオームロッドさんが、「(思わず)固まった」という事実が判明した。ピルや子宮内避妊用具を使用し、99.99%妊娠はないと思っていたはずの彼女が、5人目を妊娠。当時の体調から、医師は「中絶したほうが良い」と忠告したそうだが、彼女は拒否し、出産する道を選んだ。ところが再び悪夢の妊娠25週目、彼女の体で胎盤剥離が起こり、赤ちゃんの状態が危険と判断されたことから、2012年9月7日に男児ガレスくんも帝王切開で誕生。彼も約900グラムという、未熟児で生まれてきた。
わずか9か月の間に、2人の子どもを産んだオームロッドさん。生まれた瞬間から健康状態が危ぶまれたアリスちゃんは、その後も10か月間で「6度の心臓発作や脳障害」などを発症し、今も体を起こせない生活となっているというが、医師の話に一時は家族が葬式の手配までしたというだけに、母は娘が生きているだけでも幸せそうだ。一方のガレスくんは順調に成長しているという。
ちなみに、地元の学校では、学年を分ける最後の日が9月7日となっているそうで、2人が入学すれば姉と弟で同じ学年の同級生に。同じクラスで学ぶ可能性も充分に考えられ、そうなれば「ガレスがお姉さんを手助けできる」と、母は弟の力に期待を寄せている。