南方都市報などによると、3分40秒程度の長さの動画は、10月14日に中国の動画サイトにアップロードされ、ネットユーザーの間で瞬く間に話題になった。というのも、“主役”が鉄道の乗務員というそれなりの身分の男性であったこと、その身分に反するかのような下品なラップを披露したためだ。
動画では、自宅と思しき雑然とした室内に「江南スタイル」の軽快なリズムが流れ始めると、鉄道乗務員姿の男性がPSYよろしくサングラスをかけ、身振り手振りを交えながらラップを披露。歌詞は完全オリジナルで、ほとんどは仕事の憂さ晴らし的な内容となっている。
「俺は乗務員、列車に乗れば3日は帰れない、仕事が終われば3日は家、家にいたらいたで嫌になる。毎日毎日行ったり来たり、頭がおかしくなっちまう。朝はやたらと早くて、給料はやたらと低くて、全身めちゃくちゃだ」「俺はネクタイを閉めなければならねぇ意気地なし。首を吊って死んじまえ」などと、鉄道乗務員の仕事への愚痴を歌いながら、カメラに向かって両手の中指を立てるなど不満が爆発。
ときどき男性の息子だと推察される子どもが踊っている姿も映し出されるなど、和やかな雰囲気も漂っているが、ネットユーザーの間では「面白い」「下品」「鉄道部門の面を汚した」などと、賛否両論を巻き起こすことになった。
そうした反応を察知した鉄道部門も激怒。男性の方言などをヒントに、動画がアップロードされた翌日には所属の鉄道部門も判明し、すぐに停職処分が下されることになった。後の調べでわかったのは、男性はその日、妻とケンカをして飲酒。むしゃくしゃし、流行っている「江南スタイル」に合わせて鬱憤を晴らそうと考えたという。なお、男性は普段の勤務態度が評価され、免職だけは回避できたそうだ。