障害が起きたのは、この地域でインターネット回線サービスを展開しているグルジア・レールウェイ・テレコム。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、3月28日の夕方頃、グルジアの首都トビリシにある制御室でアラーム信号を受信した後、同社のネットサービスが利用できない状態に陥った。同社は、ブルガリアから引き込んだ光回線をグルジア経由でアルメニアなどへと展開しているが、特にアルメニアは一部イランからの回線に切り替えたものの、この障害によって「ほぼ全土」が回線不通に追い込まれたそうだ。
これを受けて同社は警察に通報。捜査の結果、トビリシから少し離れた村に住む75歳の女性が、シャベルで地中の鉄くずを探していた際に光ファイバーケーブルを切断したとして、逮捕・起訴されることとなった。
とはいえ、簡単に人が見つけられる程度の場所に埋められていたのだとしたら、企業の管理体制も疑われるところ。これについて同社は、「(女性が)なぜ見つけられたのかは分からない」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)としながらも、豪雨などの影響で土が流され、回線が露出していた可能性もあると見ているようだ。
この事故により、ネット回線が利用できなかったのはグルジアでは5時間、アルメニアでは12時間におよぶ。グルジア内務省のスポークスマンは、裁判で女性は「最高で懲役3年に科せられる可能性がある」(英放送局BBCより)とコメント。しかし、女性が高齢という点から「検察が厳しい罰を要求するとは思えない」として、懲役1年、もしくは罰金や地域奉仕活動の措置が取られると見る向きもあるようだ。