この計画は、米国の男女5人が運営しているサイト「In 25 Years」で行われているもの。彼らは最近、2010年の今の世界を感じられるモノを、タイムカプセルにして埋めようと考えたという。当初は“親しい友人同士のイベント”程度の考えだったが、このアイデアを載せたサイトを開設すると「24時間で世界中から250人以上の人が関心を示した」そう。これで自信を持った彼らは、大きなプロジェクトになるのではとの期待から、自分たちのイベントに広く参加者を募ることにした。
彼らがタイムカプセルにして埋めようとしているのは、今の自分を撮影した動画。自由なメッセージと共に、写真では分からない動きや周りの雰囲気も含めて、その姿を残そうという計画だ。これだけデジタル機器が普及した現代なら、きっと個々でもしっかり保存しておけば、そうした映像などを遠い未来まで残せなくはないだろう。しかし、この計画のミソは、タイムカプセルを開けた時に、世界中の知らない人同士が集まってパーティーをしよう、という点にある。この辺りは、いかにも米国人らしい発想と言えるかもしれない。
YouTubeにはガイドライン的な動画が投稿されており、それによると計画に参加するためには、撮影するカメラさえあればOK。最初に未来の自分に宛てたメッセージ動画を作成したら、その動画をYouTubeなどの動画サイトに投稿し、「In 25 Years」にあるエントリーページで必要項目を入力・送信するだけだ。すると、動画は彼らが用意した外付けハードディスクに保管される流れとなっている。
このハードディスクは発起人の5人が大切に手元で保管……するわけではなく、今年の大晦日にロサンゼルスのどこかにタイムカプセルとして埋められ、2035年後半に開封される予定。埋める場所や開封日などはこれから決められ、決まり次第、参加者のアドレスにメールで連絡する。彼らは参加条件の1つに「25年間生きてください」と掲げているが、もちろん25年後にメールで連絡がつく状態にしておくのも最低限必要な条件だ。
果たして2035年の世界では、デジタル機器がどのような発達を遂げているのか。ひょっとすると、ハードディスクや動画フォーマットが過去の遺産となって、再生に一苦労する……なんてこともあるかもしれない。