それは独メーカーのコンラッドが開発したローラー付きの自転車ロック。この製品のスゴイところは、柱などに固定すると、モーターがローラーを回すことで自転車が上へ上へと持ち上げられるという点だ。手が届かないところに自転車を停めて簡単に盗まれないようにするもので、そのロックの製作過程と実際に使用した様子を収めた映像はYouTubeに「Making-Of sicherstes Fahrradschloss」(http://www.youtube.com/watch?v=kvc0A_cWUCU)のタイトルで投稿されている。
1分半あまりの映像では、技術者らがデザイン画を基に開発を進めていく様子を紹介。細かな部品の調整や稼働実験を行うシーンを見ていると、完成までにさまざまな試行錯誤を重ねたことがよく分かる。また、実際に使用するシーンは、テレビCMの動画「Das sicherste Fahrradschloss der Welt (TV-Spot)」(http://www.youtube.com/watch?v=pTPFrww6zdA)でも確認できるのでご覧いただきたい。
CM動画では颯爽と自転車でやって来た青年が街中の鉄柱の前で止まると、まず、このローラー付きロックをバッグから取り出す。そしてロックを柱に巻きつけ、自転車をひっかけるようにロックに設置したら、あとは手元のリモコンで自転車ごとロックを柱の上のほうへ昇らせていく。手の届かない位置へ上げたあと、青年が浮かべる満足そうな笑みは、いつも盗難に神経を尖らせている人なら共感できるところかもしれない。
このロックはまだ試作品があるのみの段階で、今後販売されるかどうかは現在のところ未定。しかし、YouTubeの映像は投稿から2週間ほどで26万回の再生回数を記録しており、まずまずの注目を集めている。果たしてコンラッド社はこのロックを市場に出すことができるかどうか。ロックの大きさや重さ、コスト、法律との兼ね合い、さらに単純に同じ柱に2台以上が並んだ場合はどのように下ろすのかなど、乗り越えるべき関門はいくつもありそうだが、使われていない空間を活用するアイデア自体は面白いだけに、商品化の時が来るのを楽しみに待ちたい。