中国ニュースサイトの華竜網によれば、この新制度を採用したのは、中国重慶市にあるデン江県実験小学校(※実験小学校とは、中国における最新の教育課程や教科書などが全国に先駆けて試験的に導入される小学校のこと)。同校は生徒数があまりにも増えた影響で、授業をする教室が足りなくなってしまった。
この学校に通う生徒の親によれば、8月30日に子どもを連れて学校を訪れたところ、学校側から「教室の数が足りなくて全生徒を収容できません。順番に授業を受けるようにして下さい」と告知されたそうだ。具体的には2・3年生は午前、4・5年生は午後、1・6年生は通常通りに授業を受けるという内容だった。
同校は36クラスまで対応できる規模があり、ほかの学校と比べて特別小さいわけではない。ただ、今年500人近い新1年生が入学し、ついに36クラスをオーバー。また、教室だけでなく事務室も足りなくなってしまったそうだ。学校側は例年増え続ける生徒に対応するため、新しい教室棟を建築中だが、それも来年までは稼働できない。そうした苦しい事情の中で発案されたのが、この午前・午後の二交代制だった。
しかし、こうした学校の苦肉の策に不満を持つ親も多い。ある親は「午後に授業をする生徒は集中力を保てるのか」と疑問を示し、半日だけの授業が生徒の学力低下を招くことを恐れる親もいる。同校副校長はこの点に関して学校側の配慮が足りなかったことを認め、今のところ県内の別の学校などと連絡を取り、通常の授業体制が取れるよう奔走中とのことだが、それも新しい教室棟が出来上がるまでは根本的な解決策とはならなさそうだ。