ちょっと変わった“犬ナビ”を採用したのは、ポーランド中部の街ウッチでタクシー運転手をしている65歳のAndrzej Szymcakowiさん。彼は現在2歳のヨークシャーテリア・ボボを小さい頃から車に乗せて走っているうちに、周辺の道路事情に詳しくなっていることに気が付いた。その能力はSzymcakowiさん曰く「本に載っているどんな近道や抜け道も知っている」(英ニュースサイト・オレンジニュースより)というから、相当なものだ。
ボボはお客さんから言われる目的地も正確に把握するようで、車が走り出すと「指示しようと吠える」という。「右に曲がれというときは右前足を上げ、左のときは左前足。そして吠えて尾を振っているときは、まっすぐ行く合図なんだ」とSzymcakowiさんは解説する。
カーナビを取りつけていたときも、「すべてのルートを、ナビが案内する前に道を教えてくれていた」と、その案内に絶大な信頼を寄せているSzymcakowiさん。ボボが乗る彼のタクシーはメディアの取材も受け、「ポーランドでは有名」(情報サイトR7より)な存在になっているという。乗客からの反応も上々で、Szymcakowiさんは「私のタクシーに乗った人々は、感心している」と、まんざらでもない様子だ。
ボボの活躍もあり、仕事は順調なのだそう。「GPSよりもはるかに正確で、優れている」と“犬ナビ”に自信があるからこそ、Szymcakowiさんにカーナビは不必要。ましてや機械にはできない客寄せまでこなしてくれるとなれば、ボボは最高のパートナーなのは間違いなさそうだ。今日も初老のドライバーにあれこれ指示を出す“犬ナビ”タクシーが、ウッチの街中を忙しく走り回っていることだろう。