しかし、考えるよりも前に体が動く人もいるでしょう。コロラド州のある若い男性も、そういうタイプの青年でした。
米大手スーパーのウォルマートで働いている22歳のキャメロン・オールナーさんは、先週の土曜日、店内の奥のほうから上がった叫び声に気が付きました。そして逃げようとしている男が、自分のいる方向に走ってくるのが見えたのです。
「考える暇もありませんでした」
その時のことを回想するオールナーさんは、男のもとに駆けつけると、迷わずタックル。床に転がった男を、ほかの店員やお客の助けを借りて取り押さえ、警察が来るまで押さえ付けました。
ここまでのストーリーでもオールナーさんは、子どもに危害を加える男を捕まえたヒーローですが、さらにすごいのがオールナーさん、実は足が不自由で車いすの生活をしているのです。以前、クリスマスの飾り付けをしている際に、はしごから落下したのが原因で車いすの生活になったそう。それでも事故前にやっていたフットボールが今回の逮捕劇に役立ったそうで、
「僕は別にヒーローでもなんでもありません。その場に居合わせただけで、普通の行動に出ただけです」
と、謙虚にテレビのインタビューにも答えています。
でも、周囲から見れば、やはりオールナーさんはヒーロー。地元警察署では、彼に感謝状を授与する方向で検討を進めているそうです。