米ニューヨーク州北部バッファローで先日、7歳でこの世を去ったエイサ・ヒルくんという少年の告別式が営まれました。地元紙などの報道によると、祖父の運転する自家用車に乗っていたエイサくんは、高速道路で起きた車6台が巻き込まれる大きな交通事故のために、亡くなってしまったのです。
告別式が営まれた教会では、エイサくんのことを想う人々が集まり、彼が人々に与えた喜びを讃えつつ、心からその死を悼んでいました。そして告別式が終わろうとしたとき、エイサくんの両親が立ち上がり、こう言ったのです。
「今、ここで私たちの結婚式を挙げたいのです」
実はエイサくんの父アミルカー・ヒルさんと、母ラーワ・ギルマチオンさんは、長年交際し、エイサくんという子宝にも恵まれていたものの、結婚はしていなかったのです。エイサくんはいつも両親に「どうして二人は夫婦じゃないの?」「いつになったら結婚するの?」と質問していたと言います。そのたびに彼らは、
「お前が立派に育って、結婚式に参加できるようになってからだよ」
と答えていたのです。その夢が叶えられなくなった今、エイサくんへの追悼の想いを込めて、彼らは夫婦の誓いを立てることにしたのでした。ラーワさんによると、この結婚は2人が話し合って決めたことではなく、それぞれの心に、自然と浮かんできたそう。エイサくんの魂が、両親の心に語りかけていたのかもしれませんね。