事故が起きたのは今年1月のこと。17歳のカトリーナ・バージェスさんは、グループ旅行に出かけるため乗用車に同乗していた。しかし、高速道路を走行中、車は時速70マイル(約112キロ)のスピードで側溝に激突。カトリーナさんは、双方の肺が破れたほか、首や背骨、肋骨、骨盤、左足の骨を折る瀕死の重傷を負ってしまう。
病院に緊急搬送されたカトリーナさんはすぐさま手術を受け、足と背中の骨を金属板で固定。首は4本のチタン製のピンで固定する応急手当が行われたが、首の骨折は深刻で、脊髄を損傷させる恐れがあったことから、1週間後にさらなる大手術を行うことになった。
その手術では、カトリーナさんの背中部分に大きくメスを入れ、不安定だった脊柱部分を支えるために6本のロッドを挿入。さらに一番上の脊柱をチタン製のねじで固定した。英紙デイリー・メールにはカトリーナさんの背中の写真が掲載されているが、首から背中の中程まで残る長く太い傷跡は、大手術であったことを物語っている。
こうして一命を取り留めたカトリーナさんだが、医師は「麻痺が残り、二度と歩けない」可能性を示唆していたほど、楽観できない状態だった。しかし、当のカトリーナさんは「私の首は奇妙な感覚で、位置が定まらない感じだった」としながらも、「足に触れたときは、とても安心した」という。そして、医師の予想に反し、手術の翌日には立ち上がったそうだ。
若さも手伝ってか、順調な回復を遂げたカトリーナさん。手術から3週間後には歩き始め、5か月経った現在は痛みもすべて消え、至って健康な状態に戻った。その奇跡的な回復は地元メディアからも注目を集めたが、このことが彼女の人生を変える大きな転機となる。インターネットでカトリーナさんの写真を見たロンドンの大手モデルプロダクションから、スカウトがやって来たのだ。
カトリーナさんはもともと、警察官になる夢を持っていたが、今回のケガによって運動能力が問題となる可能性が高い。しかし、今回のモデルスカウトにカトリーナさんはやる気を見せており、すでに多くの仕事のスケジュールも決まっているようだ。「チャンスを与えられて、本当に興奮している」(英紙メトロより)と語り、前向きに新たな夢への挑戦を始めたカトリーナさん。まだまだ先が楽しみな17歳の活躍に期待したい。