このキッチンナイフをデザインしたのは、工業デザイナーのジョン・コーノックさん。コーノックさんは、ある医者が「従来のナイフは禁止するべき」と提唱したドキュメンタリーにヒントを得て、「刺せない」デザインを思い付いたそうだ。
「刺せない」仕組みは簡単なこと。通常、ナイフの先端は尖った状態で、この形状が「刺すこと」を容易にしてしまっているが、コーノックさんが考えたキッチンナイフは先端が丸くなっている。ただ、刃の部分は普通のキッチンナイフと変わらないため、野菜や肉などの食材をカットする機能は同じまま。単純な発想ではあるが、従来のナイフに比べると安全性が高いことは想像に難くない。
コーノックさんはこのキッチンナイフについて「決して“安全なナイフ”ではないが、誰かを刺し殺すことはほとんど不可能。過失による危険性も低減させる」(英タイムズ紙より)と自信をのぞかせている。実際に英国内務省が行ったテストでも高い安全性が確認されており、40〜50ポンド(約6,300〜7,900円)で市販される予定だ。
この「刺せない」ナイフについて、ネットでは「素晴らしいアイデアだ」との評価がある一方で、「家庭に押し入る強盗は“安全なナイフ”は使わない」「のどを切られたら終わり」「小さい中華包丁ではダメなの?」など、冷静な意見も飛び交っている。