英紙デイリー・メールによると、英国の30歳までの男女における大学進学率は、男性37.8%に対して、女性は49.2%とほぼ半数に達していると報告されたという。さらに英紙インディペンデントでは、オックスフォードとケンブリッジの2つの大学だけは差が見られないものの、いずれも女子学生の数は急増しており、両大学とも「女子が追い抜くのは時間の問題」と伝えている。
この原因について、英メディアは1998年に導入されたGCSE(中等教育修了資格試験)の影響によるものではないかと指摘。義務教育が6歳から16歳までの英国は、16歳の時に全国統一試験のGCSEによって学習成熟度を検証する制度を採用している。およそ30の科目から10科目程度を選択して受験、さらにテストの点数の他に、過去2年間のレポート提出なども加味された上、AからGの7段階で評価され、その結果はその後の進学や就職に影響するという。
実際にGSCEが原因とするデータは示されていないものの、デイリー・メール紙は、GCSEは答えだけでなく過程を重視した「記述式問題」が多く見られることや、学校での成績が加味される点が「男性より女性の学習スタイルに合っているようだ」と分析。その上で「女性の進学率アップは、GCSEの導入以外にうまく説明できる材料がない」としている。
さらに女子学生は大学内の成績も男子学生より良い傾向とされ、また、英紙サンでは、男性の1.4%は落第や退学に追い込まれていることを紹介。こうした傾向を英紙インディペンデントは「政府が目指した50%の進学率にほぼ達し、この結果は女性にとってサクセスストーリーだ」と伝えている。また、賃金や地位の格差も今後解消されていくだろうとし、英紙デイリー・テレグラフでは「今や男性が飼い犬だ」とする刺激的なタイトルのコラムも掲載するなど、英メディアは衝撃的に受け止めているようだ。
女性が力を発揮できる時代になったのか、それとも男性に不利になる要因が何かあるのか。いずれにせよ英国男性たちの奮起に期待したいところだ。