英ハリファクス在住のエリザベス・ヘイルさんは、今年3月4日に自身のケータイを機種変更した。以前のケータイにもカメラは付いていたが、新しいものはフラッシュ機能付き。エリザベスさんは子供たちを相手に写真撮影を楽しんでいた。すると、その中で生後8か月のトーマスちゃんだけがほかの家族と異なる目の光り方をしていたという。
英紙デイリー・メールに掲載された写真には、トーマスちゃんの左目中心部に、フラッシュを反射したと思われる大きな丸い光が写っており、右目にも小さな光が見える。カメラのフラッシュを使うと、眼球奥の血管がフラッシュを反射して黒眼が赤く写ることがあるが、この写真では白く反射し、しかもサイズもかなり大きい。異常を疑ったエリザベスさんがインターネットでトーマスちゃんの症状を検索すると、がんの情報が出てきたため、看護師の姉に相談した。
姉に紹介された医師にトーマスちゃんを診てもらうと、右目に3つ、左目に1つの腫瘍を発見。この腫瘍は光に反応し、写真のフラッシュで猫のように光ったり、斜視や曇った目のように写ったりするという。英国では毎年50人前後の子供が発症するまれな病気で、95%は治療により生存できるとのこと。
とはいえ、トーマスちゃんは腫瘍の影響で左目の視野の中心部分が見えない状態で、医師からは「あと2か月遅かったら、影響がなかった右目の視野も制限されただろう」と言われたそうだ。
トーマスちゃんは5歳になるまで化学療法とレーザー治療が続けられる。言葉を話せない赤ちゃんだけに問題の状況を掴めず、また言葉が話せる段階になってはすでに手遅れの可能性があった。それだけにエリザベスさんは、写真を撮らなかったら長い間気づかなかっただろうとし、「ケータイを機種変更してほんとによかった」と喜んでいる。