そんな川上投手を、米スポーツ専門誌スポーツ・イラストレーテッドがブレーブス躍進のキーマンに挙げている。同じく新加入のハビアー・バスケス投手(前シカゴ・ホワイトソックス)やデレク・ロー投手(前ロサンゼルス・ドジャース)との30代トリオによる「投手王国」復活を期待しているようだ。
ブレーブスは1991年から14季連続でナ・リーグ東地区優勝の偉業を成し遂げ、95年にはワールドシリーズを制覇したが、ここ数年は低迷が続いている。昨季は72勝90敗の地区4位と、過去17年で最低の成績を記録した。
昨季ナ・リーグ首位打者のチッパー・ジョーンズ内野手をはじめ、中軸打線は他球団と比べても強力。低迷の原因は、かつてグレッグ・マダックス投手(引退)、トム・グラビン投手、ジョン・スモルツ投手を擁し「王国」と呼ばれた投手力の低下にあるとされている。特に今オフは、通算210勝のスモルツ投手がボストン・レッドソックスへ移籍したことから、先発陣の補強は至上命題だった。
こうした中で加入してきた日本人投手に対し、同誌は「能力は未知数」のため、ローテーションでは昨季12勝のバスケス投手、同14勝のロー投手、新人ながら昨季13勝のジャイア・ジャージェンズ投手に続く4番手に挙げながらも、65マイル(約105キロ)のスローカーブをはじめとした豊富な球種や、91マイル(約146キロ)の速球が武器と紹介。投手のタイプはホルヘ・キャンピーヨ投手に似ており、カッター(カットボール)の出来によっては平均以上の成績を残すと予想した。これについては、川上投手も入団会見で「遅いカーブとカットボールが中心になる」と語っている。
しかし同誌は、もしカッターが通用しなければローテーションでキャンピーヨ投手の後ろに回るだけでなく、シーズン半ばには若手有望株であるトミー・ハンソン投手に先発投手の座が奪われるとした。また、昨季の不調を勘案し、「川上の誕生日(6月22日)頃まではハンソン投手が必要」とも提言している。