団体の方針と合わないことで田村選手は1996年5月にUWFインターを退団したが、最後の対戦相手が桜庭選手だった。UWFインターはその年の12月に解散し、田村選手は多くの人が予想したパンクラスではなく前田日明率いるリングスへ、桜庭選手はキングダムを経てPRIDEへ戦いの舞台を移した。田村選手は02年のリングス退団後からPRIDEを主戦場とし、大晦日興行で2人の対戦が何度も浮上していたが、田村選手が断り続けたためPRIDE解散まで実現することはなかった。
しかし、PRIDE最後のイベントとなった昨年4月の「PRIDE. 34」のリング上で、2人は対戦を約束。PRIDEでかなわなかったファンの願いが、「Dynamite!!」のリングで実現することとなった。
12年ぶりの対戦に、5年越しで実現を目指してきた笹原圭一イベントプロデュサーが「万感の思いで言葉に表せない。見たい気持ちもあるが、見たくない気持ちもある。複雑な気持ち」(スポーツナビより)と語るなど周囲は歓喜しているが、対戦を承諾したものの田村選手は「今回オファーを受けたのは、ひとことで言うと流れ」(同)と冷静な反応。その一方で、このカードを熱望していた桜庭選手は「緊張感がある試合がしたい」(同)として、時間無制限&素手による顔面パンチありのルールを要求した。
素手のアルティメット・ルールといえば、田村選手が引退覚悟で臨んで勝利した「K-1」でのパトリック・スミス戦(95年)が思い出される。桜庭選手は公式ブログでも「この試合、僕は『時間無制限、素手でのルール』でやりたいと思っています」とつづっており、田村選手が承諾すれば世紀の対決が過激ルールで行われる可能性が高い。
「Dynamite!!〜勇気のチカラ2008〜」ではこのほか、DREAM初代ライト級王者ヨアキム・ハンセン選手と、HERO'Sミドル級王者J.Z.カルバン選手の対戦も決定。来年の元旦は、興奮冷めやらぬまま迎えることになりそうだ。