ただ、視聴率は当初から低空飛行で、初回16.5%から視聴率が上向かず、終わってみれば平均視聴率は15.2%止まり。連続テレビ小説の視聴率としては、同じ方法での調査が始まった1964年以降、歴代最低の視聴率となってしまった。ちなみにこれまでの歴代最低視聴率は、「瞳」の前に放送されていた貫地谷しほり主演の「ちりとてちん」の15.9%。
連続テレビ小説の視聴率が年々下降線をたどっているのは、朝の忙しい時間帯に毎日放送されるという、現代のライフスタイルに合いづらいといった外的要因もあるものの、「瞳」に関しては放送中からその内容について厳しい意見が飛び交っており、これが低視聴率を招いた可能性が高い。特にネットに寄せられた視聴者の声は辛辣だ。
例えばYahoo!テレビが提供している「みんなの感想」では、「脚本に一貫性がなく、いまだに何がテーマなのかも分かりません」「いくらナレーションで、瞳の感情を解説しても全くそれが伝わってこないのは、脚本のせいかのか、ヒロインの演技力なのか」「今まで見た中で最低」とかなり手厳しい。
とりわけ番組の看板を背負う榮倉奈々への風当たりは強く、「何かふてくされたような顔」「ダンスがテーマなのにダンスが下手すぎる」「朝ドラ史上、これほどまでに、画面に出ているだけで視聴者を不愉快な思いにさせてくれるヒロインを他に知りません」と、その演技力に対する批判が目立っている。結果、「みんなの感想」に寄せられている1,700件以上のコメントの採点は、5点満点中の1.43点。86%が星1つを選択しているという異例の低評価だ。同じ低視聴率でも熱烈なファンを生んだ「ちりとてちん」とは、評価の中身が全く異なる。
もともと榮倉奈々の演技力については、初主演作の「ダンドリ。〜Dance☆Drill〜」(フジテレビ系、平均視聴率8.9%)のときにも批判的な意見が多く、「瞳」のヒロインに抜擢された際には不安の声が上がっていた。結局「瞳」でもその演技が酷評されてしまったことで、「朝ドラヒロインで女優としてステップアップ」との目論見は脆くも崩壊。今後、榮倉奈々が女優活動を続けていく上で、「瞳」の評価が少なからず影響を与えていくかもしれない。