参考までに、「あたし彼女」の冒頭部分を見ておこう。
◎「あたし彼女」のプロローグ(ケータイ小説大賞HPより)
アタシ
アキ
歳?
23
まぁ今年で24
彼氏?
まぁ
当たり前に
いる
てか
いない訳ないじゃん
みたいな
彼氏は
普通
てか
アタシが付き合って
あげてる
みたいな
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「あたし彼女」の文体の特徴を大まかにまとめると、「1行あたりの文字数が10文字以下(多くは2〜5文字程度)」「行と行の間に空白の行」「『てか』『みたいな』といった若者の口語を多用」といったところ。この組合せが独特のリズムを生んでいる。
作品の内容はセックスや恋愛について綴られたケータイ小説らしいものだが、ネットでは内容に関する言及よりも文体への反響が大きく、掲示板やブログのコメントの最後に「みたいな」を付ける人が続出するなど、「ある意味」ブレイクしているような状態だ。
そうした中、どんなブログも「あたし彼女」風の文体に変換してくれるサービスまで登場してしまった。「あたしブログ」(http://labs.spicebox.jp/p/atashi/)と名付けられたこのサービス、変換したいブログのURLを入れ、“みたいな。”ボタンを押すと、自動的に「あたし彼女」のような文体とケータイ小説風の章立てのサイトに変換される。真面目な文体で書かれた文章ほど、ギャップが生まれて面白い結果となるようだ。
「あたし彼女」に対しては否定的な意見も少なくないが、どんな形であれ、これまでケータイ小説を目にしたことがない層にもアプローチできたことは事実。そういう意味では、大きなエポックとなったのかもしれない。