そうした一斉ネガティブキャンペーンのような状態に、星野監督がついにキレた。公式サイト「星野仙一のオンラインレポート」を運営する事務局までもが、WBCに関する電話取材をしてきたことをきっかけに、現在の心境とWBCの監督に対する考え方を公式サイト上で明らかにしている。
「WBC、WBCって、なんなんだ?」
「去年のプレ五輪の時だったか、このページでも『WBCの監督まではやりませんよ』っていっとったやないか」
「北京でも終ってから(記者たちに)『リベンジしますか』っていわれて、『いや、そんなもんない。リベンジっていうのは絶対に勝つということやろう。ないよ、ない、ない』ってそう答えてるやないか」
公式サイトによれば、そもそも論として星野監督は「WBCの監督はやらない」と去年の段階で発言していた経緯があり、北京五輪後も「ない」と断言した、としている。そのため、メディアが「WBC、WBC」と盛り上がってしまっていることに辟易としている様子だ。
その前提に立った上で、メディアでバッシングがやまない理由になっている「WBC監督続投」については、実際のところどのように考えているのだろうか。多くの野球ファンの関心事であるこの点についても公式サイトでは言及している。
「たとえあったとしても、いや、ないんだけれど、こんな世論やメディアの状況のなかでやったとしても決して盛りあがらん」
「今、火ダルマになっているおれがなんでまた“火中の栗”を拾うようなことをするのか」
「娘たちもおれがこうしてさらし者になっていることで、余計に心を痛めている」
この言葉をそのまま受け取れば、逆風吹き荒れるいまとなっては、仮にWBC監督就任のオファーがあったとしても受諾することはない、というのが星野監督の考えのようだ。
星野監督の「WBC監督続投」の話題は、8月23日に一部スポーツ紙が関係者の話として「北京五輪前に水面下で監督就任の打診を受けていた」と報じたのが始まり。続いて8月24日に行われた帰国会見で、星野監督が「(WBCは)オレが決めることやない。でも、最後はオレが決めることになるか。今はそこまでは考えていない」「失敗しても、失敗してもチャレンジするというのがオレの人生」と発言したことが「暗にWBCオファー認めた」「WBCに前向き」とスポーツ各紙に報じられ、さらにWBCのアジアラウンド(地域予選)のスポンサーでもある読売新聞の渡辺恒雄会長が「(WBC監督は)星野君以上の人物が、オレはいるとは思わない」と発言したことで話が大きくなっていった。
また、星野監督は8月25日の「ニュースZERO」(日本テレビ系)出演時、WBC監督続投の話題を振られた際に「負けた監督にチャンスをあげよう、という考えかもしれないが、今は何とも答えられませんね」「叩かれてもチャレンジしてきた男ですから、これからも叩かれるぐらい勝負して前へ進みたい」と、WBC監督続投に前向きとも取れる発言をしていた。