世の中のイベントごとが多く、在宅率が下がる夏は、例年ドラマの視聴率が苦戦する傾向があり、普段は高視聴率を記録する作品が多い月9も例外ではない。参考までに過去5年間の「夏ドラマ」月9の初回と、最終回までの平均視聴率を見ておこう。
◎2003〜2007年の「夏ドラマ」月9の初回/平均視聴率
2007年 「ファースト・キス」初回19.7%/平均14.2%
2006年 「サプリ」初回17.9%/平均14.3%
2005年 「スローダンス」初回22.5%/平均17.1%
2004年 「東京湾景」初回17.7%/平均13.9%
2003年 「僕だけのマドンナ」初回18.3%/平均13.2%
2005年の「スローダンス」が初回も平均も比較的高めの数字を残しているが、これは「妻夫木聡と深津絵里がともに月9初主演」「広末涼子の復帰作」「小林麻央のドラマ初出演作」という話題性に加え、蛯原友里、小泉孝太郎、藤木直人と豪華キャストが集ったことが大きい。作品の内容はもちろん大切だが、「夏ドラマ」はほかのクール以上に、視聴者に「毎週家で見よう」と思わせるための「話題性」と「豪華キャスト」がポイントになる。この2点がやや弱かったほかの作品は、回を追うごとに視聴者が離れていき、最終的には平均13〜14%台に落ち着いてしまった。
そういう意味では、「太陽と海の教室」が高視聴率でスタートを切れたのは、「織田裕二の久々の月9」と「若手の実力派が勢揃いした豪華キャスト」という、ポイントを押さえた作りになっているから、と考えて良さそうだ。特に生徒役に岡田将生、北乃きい、吉高由里子、谷村美月、鍵本輝(Lead)、山本裕典らを揃え、その脇を教師役の北川景子、八嶋智人、戸田恵子、吉瀬美智子、池田鉄洋、小日向文世(※理事長役)が固めるという陣容は力強い。
暑い夏に、暑苦しいほど熱いキャラクターの織田裕二と、若手の爽やかなキャストの面々が、果たして最後まで視聴者に支持されるのか。今後の視聴率推移が楽しみな作品だ。