6月22日早朝には第3戦のオランダ−ロシア戦が行われるが、強豪ひしめくC組で全グループ最多得点(9点)をたたき出したオランダが決勝トーナメントでもその好調を維持できるかが注目されている。
そのオランダのファンが、グループリーグ3試合の開催地だったスイスで、国営鉄道職員の後について線路を歩くというハプニングが起きていたようだ。
オランダのグループリーグ3試合はすべてスイスの首都ベルンで開かれており、約5万人が同地を訪れたという。街をナショナルカラーであるオレンジ色で埋め尽くしたオランダファンはベルン市民から大歓迎を受け、サポーターたちも温かいもてなしに現地大手新聞2紙に全面広告を掲載して感謝したのだとか。同市のアレクサンダー・チェベット市長は「スタジアムで味わった時間と思い出をいつまでも覚えていて欲しい。今はとても静かになってしまい、ベルンの人々は寂しがっている」(ロイターより)とし、3試合が行われたスタッド・ドゥ・スイス・ワンクドルフの芝生を代表やサポーターたちに贈りたいと語っている。
スイス国鉄では、車掌や駅員などの制服は紺色にネクタイをしめ、赤や黄のラインが入った帽子をかぶるといういでたちだが、線路や踏み切りで作業を行う職員のオレンジ色のベストを着用しているという。そのため、オランダファンが“仲間”と勘違いして職員の後ろについていき、オレンジ色の集団が線路の上を歩くという珍事が起きてしまったようだ。
このため、スイス国鉄は決勝トーナメント第3試合が行われるバーゼルの職員に対し、急遽黄色のベストを配布して対応しているのだとか。ロイターによると、スイスでは警察官もオレンジ色のベストを着用しているが、ベルン警察はこのことを予想して黄色のベストに切り替え、さらにそのベストをすでにバーゼルに送ったという。
バーゼルでは、ロシア人サポーター約1万人とともにオランダ人サポーター約10万人が現地入りしており、ホーンを鳴らしたりドラムをたたいたり、オレンジ色の発炎筒を焚いたりと、試合開始を待ちわびている模様。ベルン市民もオレンジの集団を歓迎しているようだ。
オーストリアの首都ウィーンで行われたクロアチア−トルコ戦では暴動が起き、12人が警察に逮捕された。もしオランダが負けるようなことになれば、約10万のオランダファンが暴れることも予想される。バーゼル市民や警察も、オランダの勝利を願っているかもしれない。