米国ではすでに類似する陪審制度があり、市民の生活の中にも溶け込んでいますが、日本での導入にあたっては、抽選で本人の意思に関係なく裁判に借り出すのは強制的ではないか、仕事そのほかの生活に支障をきたすのではないか、また裁判員をすることで犯罪者から逆恨みをされて危害が加えられるのではないか、といった懸念があります。実際に制度が開始されてからしばらくは、いろいろな問題が浮き彫りになりそうですね。
しかし次に紹介するような裁判が日本であったとしたら、果たして裁判員として選ばれた人々は嫌がるでしょうか、喜ぶでしょうか。
カルフォルニア州では数年前に、一定の規定に反するわいせつ映像を取り締まる新しい法律が制定され、そのための特別捜査局が現在活動しているそうです。で、この捜査局がこのたび初のケースを起訴したそうで、その裁判がもうすぐ始まるとか。
彼らが被告人として訴えているのはアイラ・イザークというポルノ映画のプロデューサー。彼の作品には、ここではさすがに書けないほどの過激な性描写があるそうで、これが先のわいせつ取締法にひっかかるらしいのです。
しかしイザーク氏は反対に、
「私の作品は『芸術作品』であり、もし裁判で陪審員が少しでもその芸術性を認めてくれるなら、表現の自由にあたる」
として反発。彼の弁護団はイザーク氏がプロデュースした、全ての作品を陪審員に試写してもらうべきだと主張しているのです。
……ということは、法廷で合法的に長時間のポルノ鑑賞会が開かれるということで(汗)。はたしてアナタが裁判員に選ばれたとしたら、どういう反応をなさることでしょう?
まあ、その答えはご自分の心の中にしまっておいた方が無難かもしれませんね(笑)。