選手の高い技術と情熱によって感動を与えてくれるスポーツ。国によって関心の高い競技は異なるけれど、スポーツ好きは世界の「共通項」となっているのだ。そんなスポーツで、どの競技が世界で視聴率が高かったのかを、民間のテレビ視聴率調査機関イニシアチブ・スポーツ・フューチャーズが2007年度の調査結果を発表した。

この調査は、54社が提出した資料に基づいて世界の平均テレビ観戦者数を算出したもの。五輪やサッカーのワールドカップ(W杯)がなかった07年度の前に、冬季五輪トリノ大会やW杯ドイツ大会が行われた06年度の結果を見てみると、

1. サッカーW杯ドイツ大会決勝(フランス対イタリア) 2億6000万人
2. NFLスーパーボウル(ピッツバーグ・スティラーズ対シアトル・ホークス) 9800万人
3. 冬季五輪トリノ大会開会式 8700万人
4. 欧州チャンピオンズリーグ決勝(バルセロナ対アーセナル) 8600万人
5. F1世界選手権第18戦ブラジルグランプリ 8300万人

ドイツW杯決勝がダントツに多く、いかに世界の関心が高いかが分かるのだ。意外だったのは、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の王者決定戦であるスーパーボウルが、トリノ五輪開会式を抑えて2位になっていること。ただ、総視聴者数ではトリノ五輪開会式(2億4900万人)がスーパーボウル(1億5100万人)を上回っているのだ。

さて、07年度の結果は以下のようになっている。

1. NFLスーパーボウル(インディアナポリス・コルツ対シカゴ・ベアーズ) 9700万人
2. F1世界選手権第17戦ブラジルグランプリ 7800万人
3. 欧州チャンピオンズリーグ決勝(ACミラン対リバプール) 7200万人
4. ラグビーW杯フランス大会決勝(南アフリカ対イングランド) 3300万人
5. 世界陸上選手権男子100メートル決勝 2400万人

スーパーボウルが04年以来の首位となったほか、最後まで激戦を繰り広げたF1ブラジルグランプリ(GP)が欧州チャンピオンズリーグ決勝を抑えて2位になった。ブラジルGPの瞬間最高視聴数は1億5200万人だったそうで、これはスーパーボウルの1億4200万人を上回る数字なのだ。しかし、そのブラジルGPも平均視聴数は昨年と比べて大幅に下回っており、大きな大会がなかったためか、全体的に視聴数が少ない結果となっている。

上記のほか、ボストン・レッドソックスとコロラド・ロッキーズが戦った米大リーグのワールドシリーズ第4戦が2400万人で6位、ハンドボール世界選手権男子決勝(ドイツ対ポーランド)が2300万人で7位、ザック・ジョンソン選手が優勝したマスターズゴルフトーナメント最終日と、ロジャー・フェデラー選手とラファエル・ナダル選手が戦ったテニスのウィンブルドン選手権男子決勝がともに2100万人で8位だった。

ちなみに、日本のスポーツ番組視聴率は以下のとおり。野球やサッカーより、フィギュアスケートや箱根駅伝のほうが人気だったのだ。

1. フィギュアスケート世界選手権女子フリー 38.1%
2. フィギュアスケート世界選手権女子ショートプログラム 28.9%
3. 東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)復路 28.5%
4. WBC世界フライ級タイトルマッチ(内藤大助 対 亀田大毅) 28.0%
5. 野球 北京五輪アジア地区最終予選(日本 対 台湾) 27.4%
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