“コピー天国”である韓国ではもっと深刻な問題となっていて、ソフトのデータをインターネットからダウンロードし、それをDSに移す「R4」というツール(マジコンの一種)が日本よりも普及しているのだそう。これに対して韓国任天堂は、今年5月に違法ツール販売業者に徹底した法的措置をとることを発表。9月にはソウル中央検察官事務所に違法コピーを流通させているユーザーを捜査するよう求めた。同社は「改善が見られなければこれ以上の措置を講じる」(インサイドより)とかなり強い姿勢を示しており、来年の「Wii」発売に向けて違法対策に本気であることが感じられるのだ。
しかし、こうした対策もうまくいっていないようで、朝鮮日報によると、今年1月に現地で発売されたDS本体の販売台数(80万台)よりもゲームソフトの販売本数(50万本)が下回るという異常な現象が起きているのだとか。韓国のユーザーは違法コピーに対する意識が薄く、発売前のWiiでもすでにソフトの違法コピーが始まっている。ところが最近、違法ダウンロードしたソフトのデータで遊ぶと、DSがウイルスに感染するという“被害”が多数報告されているのだそう。
これは、ネット上にあるDS用ソフトのデータファイルにウイルスが仕込んであるためで、感染したDSは誤作動を起こす。“被害”を受けたユーザーは違法な手段で感染するため訴えることができずにいるのだけど、ネットでは「違法コピーを防止しようとする任天堂の仕業ではないか」という抗議が連日書き込まれているのだとか。例えば、ファイル共有ソフト「Winny」を使ってウイルスに感染し、自分のデータが流出した際に「マイクロソフトのせいだ!」と抗議するようなもので、なんとも身勝手な話なのだ。
もちろん、韓国任天堂は関与を完全に否定。任天堂は日本で流通している「マジコン」に対して、DSが技術的に動作しないような処置を行っているけれど、韓国でも中国でも国を挙げて対処してくれない限り、「Wii」ともども任天堂はこうした違法コピーにこれからも大いに苦労しそうなのだ。