この「宮廷ホーム」が発着場として使われるJR東日本の皇室専用特別列車「お召し列車」(1号編成)が、70年ぶりにリニューアルされたのだ。JR東日本のお召し列車は、皇室専用の「御料車」1両と随行員が乗る「供奉車」4両から成る5両編成なのだけど、製造から40〜70年が経過したため、2005年からJR東日本が世代交代を検討していた。ちなみに、JR西日本では「サロンカーなにわ」、私鉄では上級車両が使われているのだ。
代々の御料車には内外装や調度品に至るまで当時最高の技術が結集されており、その姿はまさに「走る工芸品」。交通科学博物館などに収蔵されている明治・大正期の御料車は、当時の技術を伝える貴重な資料ともなっている。現在の御料車は1960年に製造されたもので、供奉車4両に至っては1931〜32年製造。なんと、70年以上も現役で頑張っているのだ。
今上天皇があまりお召し列車を使うことを好まないために近年は定期列車を使うことが多くなっており、JR東日本のお召し列車は02年以来利用されていない。
濃い茶色に金色の3本線が入った新型車両は東急車両製造が造ったもので、座席配置は通路を挟んで2列と1列。全部で6両編成で、秋以降に運用開始するのだそう。どのくらい利用されるかは分からないけど、一部車両は一般向け豪華電車にも使われるというから、ぼくらにもお召し列車の気分が味わえるかもしれないのだ。原宿駅の「宮廷ホーム」から乗れるツアーが発売されたりして。
ちなみに、「御召列車博物館」というサイトでは、歴代の牽引機関車などの写真が閲覧できるので、興味のある方はぜひチェックを。