ブルーレイディスクやフルHDテレビへの対応、HDD搭載やPSPとの連携など、そのハードの高い性能と魅力は誰もが認めるところなりが、不振に追い込まれているのは、やはり20GBモデルが4万9980円、60GBモデルがオープンプライス(6万円前後)と価格が高いこと。プレイステーション2の発売当初の価格である3万9800円と比較すると、性能差からすればそれほど「バカ高い」わけではないものの、プレイステーション2ほどの「必然性」が薄いため(※)、なかなか消費者はサイフの紐を緩めてはくれないのが現状なりよね。(※当時はDVD普及前夜であり、DVDプレーヤーの機能目当てで購入したユーザーも多かった)
とはいえ、ソニーもこの状況に甘んじているわけにはいかず。すでにソニーの業績に影響を来し始めており、2008年3月期にはゲーム事業は500億円程度の営業赤字(前年実績は2323億円の営業赤字)になると見られているなりよ。ハードが売れなければソフトも売れず、ソフトが売れなければリリースされる本数も減り、本数が減ればユーザー離れを起こすと、いまのスパイラルを早急にてこ入れする必要があるのは、誰の目にも明らかなりよね。
では、ハードの売上げを伸ばすには、具体的にどのような施策を採れば良いのか……となれば、最も即効性があるのはやはり値下げ。「プレイステーション3は欲しいけど、高いから買えない」という潜在的なユーザーを掘り起こせるのはもちろん、消費者に大きなメリットを享受したとして、イメージ向上にも繋がりそうなりよね。そのため、値下げに関しては以前から「するのは明らか」であり、問題は「いつするのか」だと言われているなりが、このあたりについてソニーのハワード・ストリンガー会長兼CEOが英ファイナンシャル・タイムズのインタビューに答えているなりよ。
この中でストリンガー会長は「値下げはわれわれが現在検討していることだ」(ロイターより)と明言。プレイステーション3を構成する部品の生産を自社に切り替えることでコストダウンを図っているとの報道もチラホラと出始めているだけに、遅くとも年内には値下げに踏み切る可能性は高そうなりよ。どこかの商戦にぶつけてくるとすれば、米国では11月頃から始まるクリスマス商戦あたりになりそうなりか。
いつ、どのタイミングで、どれくらいの価格まで値下げするのかは今後もさまざまなところで憶測を呼びそうなり。一日も早く、正式な発表を聞きたいなりね。