そんな中、競技人口が増えている女子ボクシングの正式なプロ化が内定したのだ。大ヒット映画「ミリオンダラー・ベイビー」で描かれていたように、米国では女子プロボクシングは盛んで、モハメド・アリの娘、レイラやジョー・フレージャーの娘、ジャッキーが人気選手となっているのだけど、日本では、1970年に渡米した高築正子選手が初の女子プロ選手となったものの、プロ・アマ問わず長い間組織が作られてこなかったのだ。
しかし、97年にキックボクシングから転向したシュガーみゆき選手が国際女子ボクシング連盟(IWBF)世界ストロー級王者になったことから、99年に日本女子ボクシング協会(JWBC)が設立され、100人もの選手が所属するようになった。
とはいえ、JWBCはプロボクシングの統括組織である日本ボクシングコミッション(JBC)の未公認組織。ボクササイズが流行している中で選手も増え始めていたのだけど、なかなか承認してもらえなかったのだ。ところが、03年に日本アマチュアボクシング連盟(JABF)が女子の部を設置したことからJBCや日本プロボクシング協会(JPBA)でも検討を始め、今回の承認にこぎ着けた。
正式発表は今月16日に開かれるJPBAの理事会で行われるようだけど、JPBAの事務局長は「秋口をめどにプロ化していきたい」(日刊スポーツより)と、早くも意欲を語っているのだ。
9月にブラジルで世界選手権が行われる柔道やレスリングだけでなく、柔術や総合格闘技など、女子もなかなか見応えのある試合をみせてくれる。亀田兄弟の所属する協栄ジムが女子部を設立し、ロシアから2選手を招致することが発表されたのだけど(7月1日に東京・有明コロシアムで行われるWBA世界フライ級王者坂田健史×同級暫定王者ロベルト・バスケスの前座でスパーリングを披露する予定)、こうした選手たちとともに、女子ボクシングにもスポットが当てられそう。あとは、女子プロレスのようにショー化しないことを祈るのみなのだ。