音楽の次は動画。これはデジタルの世界では当然の流れなりが、この分野でも音楽配信サービスに続いて、ダウンロード形式の動画配信サービスを仕掛けようと、各社が着々と準備を進めてきたなりよ。件の「iTunes Music Store」ではすでに動画のダウンロード販売をしていて、アーティストのプロモーションビデオやショートムービーなどは購入することができるなりが、映画などの長時間動画コンテンツの販売はまだ行われていないなりね。運営するアップル・コンピュータが映画会社と交渉を進めているという話はチラホラと出ており、ようやく12日(日本時間13日)に開催されるスペシャルイベントで大々的に映画配信が発表されるとの見方が強まっている段階なりよ。
でも、そんなアップル・コンピュータに先手を打つべく、これまでこの手のコンテンツ販売は行っていなかった米Amazonが、動画配信サービス(ダウンロード形式)に参入することを発表したなり。サービス名称は「Amazon Unbox」。BBC、CBS、FOX、MTVなどを含む26の米テレビ局の番組と、20世紀フォックス、パラマウント、ソニー、ユニバーサル、ワーナーブラザーズなどの映画会社の映画を購入することができるなど、大手をガッチリと抑え、コンテンツを充実させられる環境を整えたのが「Amazon Unbox」の特徴なりね。
動画の価格はバラバラで、テレビ番組は1.99ドルから、映画は7.99ドルから14.99ドルと、それほど安くはない印象。さらに、動画の再生には「Amazon Unbox Video Player」という専用プレーヤーが必要で、Mac OSや「iPod」での再生には対応していないというなりよ。アップル・コンピュータの動画配信の対抗サービスという姿勢が鮮明に打ち出されているようなり。
このサービスはまだ米国だけのものなので、国内でも同種のサービスが展開されるかどうかは分からないなりが、書籍販売から始まったAmazon.comがいよいよコンテンツ販売にも乗り出したこと、そしてダウンロード形式による本格的な映画配信サービスの夜明けが来たという意味で、大きなエポックなのは確か。アップル・コンピュータとの対決の行方にも注目しておきたいろころなり。